中学生の家庭学習

成績が悪い中学生の将来が心配…
元塾講師が300人見てきて思うこと

藤井りょうこ

2人の子どもを育てた経験と、元塾講師・大手学習塾勤務で培った知識を活かして情報発信中。 のべ300人以上を個別指導し、わが子2人も偏差値60台の都立高校に合格。 がんばりすぎずに成果を出す、親子の勉強サポート術をお届けします。

うちの子、成績が悪くてやる気もない…
ちゃんと高校に行けるのかな

成績が悪い中学生の将来がどうなるのか、不安になる親御さんはとても多いと思います。

塾講師として10年以上、たくさんの中学生を見てきた私ですが、成績が悪かった子が将来うまくいかなかった、というケースはほとんどありません。

2人の子どもを都立高校に送り出した母でもある私が、塾の現場で実際に見てきたことを、正直にお話しします。

この記事では、

  • 成績と将来の関係
  • 社会で活躍する子に共通する力
  • 親ができる導き方

についてまとめています。

中学校の教室で授業を聞いているけれど上の空になっている女子の様子

「成績が悪いと将来困る」は本当?

成績が悪いと将来が不安…それは、多くの保護者が抱く自然な感情です。

実際、統計的に見れば「大卒と高卒で生涯年収に差がある」「良い企業に入るには学歴が影響する」といった傾向はあります。
大学卒業者の初任給が高くなりやすいのも事実です。

ただ、今は大学全入時代とも言われていて、選ばなければどこかしらの大学には入れる時代になっています。

つまり進学という面で見れば、ある程度の学力があれば道は開ける。
そして「ある程度」は、今の成績が少し悪いからといって絶望するほどのものではないんです。

それでも心配になってしまうのは、やっぱり「わが子のことだから」。

「このまま成績が伸びなかったら…」
「ちゃんと働ける大人になれるのかな」

そう思ってしまうのは、ごく当たり前のことです。

でも大切なのは、今の成績をゴールのように捉えないこと。

大人になったとき、社会の中で自分らしく生きていける力が育っているかどうか
そこに目を向けると、少し違う景色が見えてきます。

親がもつ理想の子ども像と、現実のズレ

リビングで悩んでいる母親の様子

「大学には行ってほしい」
「せめてこの高校には入ってほしい」
こうした願いは、多くの場合、親自身の経験や価値観からくるものです。

自分が大卒なら「大学は出てほしい」、自分が高卒なら「自分よりは上の学歴を」と思うこともあるでしょう。
子どもを思うからこそ、そう願うのは自然なことです。

でも、その理想の子ども像が今目の前にいる子と大きくズレているとき、親子関係は苦しくなりがちです。

オール5の子でも「もっと上を」と求められればプレッシャーに。
オール2の子でも「今のままでいいよ」と言ってもらえれば、安心して前を向けることもある。

子どもを理想に合わせようとするのではなく、 「この子は今、どんな力を持っていて、何を大事にしているのか」を見つめ直すこと。

その視点が持てると、親子関係がぐっと楽になります。

実際に「成績が悪かった中学生」は、その後どんな人生を歩むのでしょうか。
次に、塾講師として見てきた印象的なケースを3つご紹介します。

▷「成績が悪いのは母親のせい?」と悩んでしまう方に向けて、私自身の経験をまとめた記事もあります。

子どもの成績が悪いのは母親のせい?
元塾講師ママが伝えたい本当の理由

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成績が悪かった中学生は将来どうなる?塾講師として見てきた3つのケース

塾講師として長く中学生を見てきましたが、「成績が悪かった子がその後どうなったか」は本当にさまざまです。

個人が特定されない形で、印象に残っているケースを紹介します。

① 中学では荒れていたけれど、母としてしっかり歩き出した子

当時、彼女は塾でも10分と椅子に座っていられないような子でした。
勉強への集中がどうしても続かず、なんとか高校に進学したものの、環境に馴染めず途中で退学してしまいます。

その後、若くして子どもを授かり、人生の大きな転機を迎えました。

一度立ち止まったあと、通信制高校で学び直し、卒業後は仕事にも真面目に取り組むように。

今では家庭を持ち、子どもをしっかり育てている立派なお母さんになっています。

中学生の頃の姿を思うと、本当に人は変わるものだと感じます。

② 中学では普通の成績だったけれど、高校で花開いた子

中学の頃は特別勉強が得意なわけでもなく、成績は中くらい。
ただ、コツコツ続ける力はあるタイプでした。

高校に進学すると、同じくらいの学力の仲間の中で「努力すれば上位を目指せる」という環境になり、そこから一気に勉強に前向きになります。

高校では優秀な成績を維持し、その実績で大学に進学。

中学の成績だけでは、想像もできなかった道を歩んでいきました。

「環境が人を変える」って、本当にあるんだな、と実感した子でした。

③ 勉強は苦手だったけれど、社会に出て責任感を発揮した子

部活動に一生懸命で、勉強の成績はあまり振るわなかった子もいました。

進学後も進路に迷う時期が続き、正直、将来を心配したこともあります。

ところが、ある出来事をきっかけに「家族を守る」という覚悟が生まれ、就職してからは驚くほど真面目に働くように。

今では家庭を持ち、子どもを育てながらしっかり生活を支えている立派なお父さんです。

学生時代の成績だけでは、人の将来は本当にわからないものだと改めて思います。

では、将来うまくいく子に共通する力は何なのでしょうか。

社会で活躍できる子に共通する力とは?

たくさんの子どもたちと接してきた中で、成績の良し悪しに関係なく「この子は大丈夫だな」と感じる子たちには、ある共通点がありました。

それは、自分の言葉で気持ちや考えを伝えられることです。

たとえば、宿題を忘れたときに「やってない」と正直に言える。
叱られたときに「次は気をつけます」と返せる。
意見があるときに「私はこう思う」と言葉にできる。

うまく言えなくても大丈夫です。
言葉が足りなくても、間違っていてもいい。
大切なのは、伝えようとする気持ちがあること。

そしてもうひとつは、相手の言葉を受け止める力

注意されたときに耳をふさがずに聞けるか、話している相手の表情や空気を読みながら受け答えができるか。

こうしたコミュニケーション力は、どんな職場でも、どんな立場でも必要になります。

私が教えていた生徒たちは、今や社会人として家庭を持ち、親になっている子もいます。

成績はさまざまでしたが、当時から自分の言葉で話し、相手の言葉を受け止められた子は、今もそれぞれの場所で生き生きと自分の人生を歩んでいます。

偏差値が高い・低いに関係なく、社会の中で人と関わり、自分の居場所を作っていくために必要な力。
これを中学生のうちから少しずつ育てていくことは、勉強そのものより大きな意味を持つかもしれません。

身につけておきたい「将来につながる習慣」

机の上にスケジュール帳や勉強の時間割が置いてある様子

社会に出てから周囲と協力しながら生活を回していくためには、「スケジューリング」や「タスク管理」の感覚がとても役立ちます。

たとえば、

  • 学校の提出物を忘れないようにする工夫
  • 部活や習い事との両立に合わせた勉強の計画
  • テスト前のやることリストの整理

こうした力は、特別な才能ではなく「習慣」で身につくもの。

だからこそ、中学生のうちに親が一緒に考えてあげることがとても大切です。

生活リズムが乱れがちな子ほど、将来も自己管理に苦労しやすい傾向があります。

夜更かし、朝食抜き、忘れ物…そうした日常のつまずきを、親が優しくサポートしてあげることで、子どもの中に「整える力」が育っていきます。

社会に出てからうまくやっていける子を見ていると、親がガミガミ言ってつけさせたというより、「いっしょに考えながら導いてきた」結果として、自然に身についたことが多いと感じます。

勉強の内容そのものより、こうした日常の基礎力こそが、将来の土台になるんです。

たとえば、中学生の提出物が出せないことに悩むご家庭も多いですが、これは「習慣づくり」で改善するケースがよくあります。

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親が果たす「導く役目」とは

中学生の女子とその母親が並んで道路を歩いている後ろ姿

子どもの成績が思うように伸びないとき、親としてできることは限られているかもしれません。
でも、変えることはできなくても、導くことならできます。

目標の高校や、やりたいことを一緒に探してあげること。
少しずつでも、その目標に向かって努力できるように声をかけること。

そして、勉強の成績だけでなく、社会で生きていくために必要な力であるスケジューリングや自己管理、コミュニケーションなど、 日々の生活の中で少しずつ育てていくこと。

そのサポートをするのが、親の大切な役割だと思っています。

子どもは親の思いどおりには育ちません。
でも「自分らしく生きられる力をつける」をゴールにしてサポートしていけば、親としてできることは自然と見えてきます。

成績の良し悪しにとらわれすぎず、その子の強みやペースを信じて寄り添う
その積み重ねが、子どもの生きる力になっていくはずです。

▷成績が悪い子が将来どうなるのか?私自身の経験をもとに「本当に大事な力」と親の関わり方をまとめた記事もあります。

中学生の成績が悪い…将来どうなる?
塾講師が見た“本当に大事な力”と親の関わり方

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「成績が悪い=将来ダメ」ではない

成績が悪い中学生でも、将来が決まってしまうわけではありません。

この記事のポイントをまとめます。

  • 成績や学歴は進学や就職に影響することもあるが、将来のすべてを決めるわけではない
  • 社会で活躍できる子は「自分の言葉で伝える力」「相手の言葉を受け止める力」を持っている
  • 日常の習慣(提出物管理・生活リズム・タスク整理)が、将来の土台になる
  • 親は変えるのではなく、導き、寄り添うことで子どもの強みを伸ばせる

中学生の今、成績だけにとらわれず、子どもの「生きる力」を信じて寄り添ってあげましょう。

それが、将来につながる一番のサポートになります。

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