子どもに「勉強しなさい」って言っても聞かないし、
かといって何も言わないとホントにずっとスマホばっかり…
どうすればいいの?
みなさんは、勉強しない我が子にどう関わっていますか?
一言声をかけると、「あとでやるから」。
でも「あとで」が来ることはほとんどない。
こういう経験を私も何度したでしょうか。
言いすぎると険悪になる。
かといって黙っていると何もしない。
テスト前になって慌てる姿を見るたびに、「もっと早く言っておけばよかった」と思う。
でも言っても動かない。
勉強しない子への関わり方って、本当に難しいですよね。
私は塾講師として、そして一人の親として、この問題に長く向き合ってきました。
その中でたどり着いたのは、勉強しない子に必要なのはやる気ではなく、ちょっとした「きっかけ」、そして「信じて待てる忍耐力」ということ。
この記事では、中学生が勉強しないときに親ができる「きっかけ作り」と、「信じて待つ」方法について、塾と家庭での経験をもとにお話しします。
この記事でわかること
- イライラを減らして、信じて待つための考え方
- 中学生が勉強を始められない理由
- 「1問だけ」「テキストを開くだけ」が効く理由
- 親がつい待てなくなってしまう原因
- 親ができるちょっとしたきっかけ作り

中学生が勉強を始められない本当の理由
「ほんっとやる気ないなあ…」
勉強しない子を見ていると、親はついそう思ってしまいますよね。
でも、私が長く関わってきた中で感じているのは、やる気がないのではなく、始めるハードルが高いのではないかということです。
たとえば、「英語の勉強をしなさい」と言われたとき、子どもの頭の中では、こんな気持ちが同時に動いているかもしれません。

親からは「やる気がない」に見えても、本人の中では
「何から始めればいいかわからない」
「うまくできる気がしない」
という戸惑いがあることも少なくありません。
だからこそ、いきなり長時間やらせようとするよりも、まずは始めるハードルを下げること(=スモールステップ)が大切です。
▷「やる気がない」と見える背景には、疲れや生活リズムの乱れが関係していることもあります。
中学生活の変化と親の関わり方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
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新中1がやる気ゼロ…それ、疲れサインかも?
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「1問だけ」は、意味がないように見えて一番大事
塾で教えていたときに私がよく使っていた言葉があります。
「家で、まず1問だけでいいからやってみてー」
これを言うと、子どもにはよく反発されます。
「そんなの意味なくない?」
「1問だけやっても成績上がらないでしょ」
たしかに、1問解いてもテストの点数は上がりません。
でも、「1問だけ」の目的はそこじゃないです。
目的は、始めるハードルを下げること。
人は「始めること」が一番エネルギーを使います。
でも、10秒でも動いてみると、不思議と「もう少しやってみようかな」と気持ちが切り替わることがあります。
「1時間勉強しよう」はムリ。
でも「1問だけ」ならやれないことはない。
そしていざ始めてみると1問で終わらないことがある。
1問解いたら、もう1問やってみようかなと思う。
テキストを開いたら、少し進めてみようかなと思う。
単語を1個見たら、ついでに3個くらい見ておこうかなと思う。
毎回そうなるわけではありません。
でも、なかなか勉強を始められない子にとって大切なのは「自分で動き出せた」という経験です。
ちょっとだけど始められた。
少しでも昨日より前に進んだ。
その積み重ねが、勉強への抵抗感を少しずつ薄くしてくれるのです。
親が待てない理由は、「見えすぎる」から
ここから先が、親にとって一番難しい部分です。
塾の先生は「1問だけやってみてね」と言ったあと、子どもの家での様子が見えません。
スマホを見ているかも、だらだらしているかも、テキストを開いているかも知らない。
だから次に会うまで待てるんですよね。
でも親は違います。
テキストを開いていないことも、スマホを見ていることも、「やる」と言ったのに一週間何もしていないことも、全部見えてしまう。
だからついこんなことを言いたくなってしまいます。

「この前、やるって言ったよね?」
「なんでまだやってないの?」
「1問だけでいいって言ったのに、それすらやらないの?」
子どもを信じて待ったほうがいいとわかっていても、何もしていないように見えると不安になるものです。
親にとって難しいのは、まさにこの「言いたい気持ち」と「待ったほうがいい」という気持ちの間で揺れることなのだと思います。
私も何度もそうなりました。
口から出てしまったあとで、「また言ってしまった」と思うけど、止められないんですよね。
待てずに追い立てたとき、子どもはさらに動けなくなった
私の経験で正直に言うと、待てずに小言を言ってしまったときほど、子どもは結局できないまま終わることが多かったです。
息子が中2のとき、勉強へのモチベーションがどんどん下がっていってしまい、心配になった私は毎日のように「テスト勉強してるの?」「塾の宿題はちゃんとやってるの?」と聞き続けた時期がありました。
結果、勉強どころか会話すら減っていきました。
中学生は、親が思うより「管理されること」に敏感です。
小学生のように全部を決められるには、もう大きすぎる。
でも大人のように自分で全部整えられるほど、まだ成長しきってもいない。
自分でやりたい。
でも、うまく動けない。
口を出されると反発したい。
でも、完全に放っておかれると困る。
この中途半端で難しい時期に、親が先回りして言いすぎると、子どもは自分で動く前に反発してしまいます。
逆に、最初のきっかけだけ渡して少し離れて待てたとき、子どもは自分で動き出すことがありました。
これは頭でわかっていても、実践するのが本当に難しかったです。
元生徒が教えてくれた「信じる」ということ

最近、塾を卒業した元生徒の高校生に勉強のやり方をすすめる機会がありました。
その子の親に「うちの子、受験するのに全然勉強しないで困ってる」と言われたからです。
もう高3ということもあり、受験から逆算してこのテキストを1日◯ページは必ずやること、やったら次の教材はこれ…、と事細かに指示をするつもりでした。
でも、部活に遊びにバイトに、ほとんど勉強をしていないという元生徒。
スモールステップのことを思い出し「やれるときでいいよ。1日1ページでもいいよ」と伝えました。
正直なところ心のどこかで「続かないかもしれない」と思っていました。
中学のときもそれほど積極的に勉強するタイプではなかったからです。
親も「あの子はどうせやらないよ」と半分あきらめモードでした。
でも数週間後、毎日きっちりではなかったかもしれませんが、自分のペースで進めて、最後までテキストをやり切っていたのです。
それを知ったとき、本当に驚きました。
そして同時に、大人のほうが、もっと子どもを信じてあげないといけないと感じました。
「どうせやらないだろう」と思いながら渡すのと、「これならできるかもしれない」と信じて渡すのでは、伝わり方が違う。
子どもは、大人が思うよりずっと、その奥にあるものを感じ取ります。
親ができる「始めやすい形」の整え方
信じて待つ、は何もしないで放置することではありません。
きっかけを整えたうえで待つのと、何もせずに放っておくのでは、まったく違います。
① 「何をやるか」をあらかじめ決めておく
「勉強しなさい」だけでは、子どもは動きにくいです。
英語なら単語帳、数学なら計算プリント、今日やるページにふせんを貼る。
具体的に「これをやればいい」とわかる状態にしておくだけで、最初の一歩が軽くなります。
② 「1問だけ」「1ページだけ」でいいと伝える
最初はとにかく小さいスタートがおすすめ。
「テキストを開くだけでもいいよ」「単語を1個だけ見てみよう」くらいまで下げることで、やれるようになります。
そして、1問で終わったとしても責めないこと。
始められたことをまず評価しましょう。
③ 子どもに合う方法を選ばせる
テキストが合う子、プリントのほうが取り組みやすい子、アプリなら続く子、それぞれです。
最初の目的が「勉強を始めること」なら、方法にこだわりすぎないほうがうまくいくことがあります。
入り口は何でもいいのです。
④ 道具を取りやすい場所に置く
テキストがどこにあるかわからない、ノートを出すのが面倒、筆記用具が見つからない。
こんな小さな面倒くささで、勉強のスタートは止まります。
よく使うテキスト、ノート、筆記用具は、すぐ手の届く場所にまとめておく。
寝る前に単語を見るなら、ベッドの近くに単語帳を置く。
「やろう」と思ったときすぐ始められる環境が、行動につながります。
⑤ きっかけを渡したら、少し離れる
ここが一番難しいところです。
準備した。1問でいいと伝えた。道具も置いた。
そこまでしたら、あとは少し離れて待ってみましょう。
毎日毎日「やったの?」と確認し続けると、子どもは自分で動く前に嫌になります。
親ができることをしたら、子どもが動き出す余白を残す。
この余白が、中学生には大事なのだと思います。
▷提出物や忘れ物も、気合いだけで改善するのは難しいものです。
家庭での仕組みづくりについては、こちらの記事も参考にしてください。
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「信じて待つ」は、親にとっても練習がいる

「信じて待つ」は簡単ではありません。
むしろ、親にとってかなり難しいことです。
このままだとテストに間に合わない。
提出物が終わらないかもしれない。
内申に響くかもしれない。
だからこそ、言いたくなるんですよね。
それは子どものことを心配しているからで、悪いことでは全然ないです。
でも経験上、待てたときのほうが子どもは動き出しました。
待てずに小言を重ねたときほど、親子で疲れて、結局勉強も進まないことが多かったです。
だから、子どもを変えることだけを考えるのではなく、親自身がどこまで待てるかも、家庭学習を支える大事なポイントなのだと思います。
▷成績が下がっているときほど、親は「何かしなきゃ」と焦りがち。
親がやるべきこと・やらなくていいことを整理したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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成績が悪い中学生に、
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まとめ:勉強しない中学生には、小さなきっかけを渡して信じて待とう
中学生が勉強しないとき、必要なのはいきなり大きなやる気を出させることではありません。
大切なのは、まず「これなら始められそう」と思える小さなきっかけを作ることです。
この記事のポイントをまとめます。
この記事のポイント
- 中学生が勉強しないのは、やる気がないだけとは限らない
- 「何からやればいいかわからない」「間違えたくない」など、始める前に迷っていることもある
- 最初から長時間やらせようとせず、「1問だけ」「テキストを開くだけ」までハードルを下げる
- 何をやるかを具体的にして、テキストやプリント、アプリなど子どもに合う方法を用意する
- ノートや筆記用具を取りやすい場所に置き、始めやすい環境を整える
- きっかけを渡したあとは、すぐに小言を重ねず、子どもが動き出す余白を残す
- 「信じて待つ」は放置ではなく、準備をしたうえで見守ること
中学生は、まだ未熟です。
けれど、自分で動きたい気持ちも持っているんですよね。
親が全部管理しようとすると反発する。
でも、何も整えられていないとなかなか動き出せない。
そんな子たちへの関わり方として、私が大切だと思っているのは、「小さなきっかけを渡して、そのあとはできるだけ信じて待つこと」です。
すぐに変わらなくても、「1問だけ」「テキストを開くだけ」の小さな一歩が、子どもにとっては大きなスタートになることもあります。
焦って追い立てるより、始めやすい形を整えて、少し離れて見守る。
ぜひ、試してみてくださいね。