
えぇ?! また忘れたの!?
もー! 何度言ったら忘れ物しなくなるの?!
「また忘れ物⁉」と、ついイライラしてしまう…。
そんな毎日を、少しでもラクにできたら――。
元塾講師として、これまでにたくさんの中学生と関わってきましたが、忘れ物に悩む親御さんの声は本当に多いんです。
この記事では、叱らず・責めずにできる5つの対策を、私自身の子育て経験も交えてご紹介します。
私もたくさん悩んできたので、同じように困っている方のヒントになればうれしいです。

中学生の忘れ物に毎日イライラ…その感情、当たり前です
忘れ物が多い子どもを見ると、
「なんでこんなに注意力がないの?」「真剣さが足りないんじゃ?」と感じてしまうこともあるでしょう。
でも私は、忘れ物は“叱って直すもの”ではないと思っています。
それよりも、「どうすれば忘れ物が起きにくくなるか」という仕組みづくりを、親がサポートしてあげることが大切だと感じています。
責めても忘れ物は減らない。まずはその前提を持とう
忘れ物は「ちゃんとしなさい!」「気をつけて!」で防げるものではありません。
もちろん「本人の意識」も必要ですが、
それだけで何とかなるなら、とっくに直っているはず。
特に中学生は、友だち関係、成績のこと、体の変化など、気になることがいっぱいで、
まだ自分を客観的に見る力も未熟です。
しかも、忘れ物をしても今すぐ大きな困りごとにならないことも多いため、
「次こそは気をつけよう」と思ってもすぐ忘れてしまうんです。
親が「何度言っても直らない」と感じるのは当然。
でも、だからこそ「どうしたら忘れ物が防げるか」を一緒に考えていくことが大事です。
怒られることで萎縮するより、工夫で成功体験を積めるほうが、ずっと成長につながります。
中学生はまだ“忘れやすい脳”で生きている
中学生って、一見もう大人びて見えるけれど、
実はまだ脳の“前頭前野”が発達途中。
この部分は「計画」「注意」「自己管理」を司るところで、
忘れ物を防ぐような“段取り力”や“気を回す力”が未熟なんです。
つまり、「わざと忘れてるわけじゃない」んですよね。
そこに加えて、友だち付き合い、部活、スマホ、思春期の感情の波…
中学生って、実は常にいっぱいいっぱいなんです。
そりゃあ、ハンカチやプリントのことなんて吹っ飛びますって…!
忘れたことにすら気づいていないこともある
これ、ほんっとうによくあります。
「忘れたことに気づいてない」
「あとから言われて“あっ”って思い出す」
「先生に言われて“え?そんなのあった?”」
…中学生あるあるです。
でもそれって、悪気があるわけじゃない。
むしろ、責められて「自分ってダメなんだ…」って落ち込んでしまう子の方が多い。
大事なのは、忘れ物を「性格ややる気のせい」にしないこと。
本人が困っていないように見えても、
その子なりに「なんでできないんだろう」とモヤモヤしていることもあります。
「大人の知恵」で支えてあげることは甘やかしじゃない
たとえば、私たち大人でも忘れ物を防ぐために
- リマインダーアプリを使う
- ポストイットを貼る
- 荷物を玄関に出しておく
- 「あとでやると忘れるから今やろう」と自分に言い聞かせる
…など、いろんな工夫をしてますよね?
だったら、中学生にも「道具」や「仕組み」を使っていい。
むしろ、それを一緒に考えるのが親の役目だと思うんです。
「注意すれば防げる」じゃなくて、
「仕組みと道具でラクに防げるようにする」
それが忘れ物対策のいちばんやさしいスタートです。
親がイライラしないために。中学生の忘れ物を減らす工夫5つ

忘れ物は、気をつけるだけで防げるものではありません。
でも、日々の工夫や道具の力を借りることで、かなり減らすことができます。
ここでは、私自身が家庭で実践して「これ、やってよかったな」と思った対策をご紹介します。
お子さんにぴったり合いそうなものがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
① 鍵は“つけっぱなし”が正解!リール&チェーンで物理的に固定
うちの息子はとにかく鍵を忘れるタイプでした。
最終的にたどりついたのが、「鍵をズボンのポケットにチェーンでつないでおく」という方法。
小学生のころからそれを徹底した結果、今では大学生になってもそのスタイルを貫いてます(笑)
娘には、防犯も考えて「鍵が見えないタイプのかわいいキーケース」をプレゼントしました。
ランドセルにもリュックにもつけられるし、リールでびゅーんと鍵を伸ばせるのも便利!
高校生になった今も、同じものを大事に使ってくれています。
鍵の忘れ物が多い子には、「鍵を持ち歩く」という意識よりも、
「鍵を体の一部のように固定する」ほうがうまくいくかもしれません。
② スマートタグやカード型紛失防止グッズを活用する
最近は、大人でも財布や鍵に「紛失防止タグ(スマートタグ)」を使っている人が増えていますよね。
子どもだって使っていいんです。むしろ、忘れ物やなくし物が多い時期だからこそ、こういったガジェットは“怒られずに済むお守り”になります。
例えば、カバンの中に入れておけばスマホで位置が確認できるカード型タイプや、
鍵に取り付ける小型のタグ型なども便利です。
塾で出会った女の子も、鍵を何度も忘れて毎回お母さんに怒られていたのですが、
スマートキーに変えたことで怒られなくなった、ということがありました。
…いや、そりゃ怒られなくなるよね、って話なんですが(笑)
③ 傘の取り違え防止に“目印”をつける
地味だけど忘れがちなのが、傘。
うちでは、何度も取り違えや置き忘れが起きたので、
持ち手に目印付きの傘カバーをつけるようにしました。
すると、それ以降一度も間違えが起きなかったんです!
目印があることで「これは自分のだ」と気づきやすくなるし、
周りの子ともかぶりにくくなるので、ほんのひと手間でも効果は大きいなと実感しています。
④ カバンに“お守りセット”を入れておく
忘れ物をゼロにするより、「忘れてもどうにかなる」が大事。
我が家では、子どものカバンに“予備セット”を入れるようにしていました。
- ハンカチ・ティッシュ
- 女子なら生理用品
- 小さめの千円札(非常用)
本人も安心できるし、友だちに貸してあげられる場面も増えて、
「忘れても大丈夫」=自己肯定感を守ることにもつながったと思います。
⑤ “考えなくても持てる”仕組みを作る
毎日「何がいるっけ?」と考えるのは、子どもにとって負担です。
だったら、“仕組み化”してしまうのがいちばん!
たとえば:
- 持ち物リストを玄関に貼る
- 必要なものは前夜のうちにランドセルの横に出しておく
- 定期・スマホなどいつも使うものは「定位置」を決めて必ずそこに置く
「自分で考えなさい」じゃなくて、
「考えなくてもできる状態を一緒に作る」というスタンスが、ストレスもミスも減らしてくれます。
中学生の忘れ物は“今だけ”。だからこそ今は「助ける」時期

「この子、ずっとこのまま忘れ物の多い子なんじゃ…」
そんな不安を感じたこと、私もあります。
でも大丈夫。忘れ物は“時期”の問題でもあるんです。
うちの息子も、昔はとにかく忘れっぽくて、「なんで何度言っても…!」と悩みました。
でも大学生になった今では、自分でバイトのシフトも管理し、持ち物も自分で工夫して準備するように。
もちろん今でもうっかりミスはありますが、それも本人なりに反省して、
「じゃあこうしよう」と対策するようになりました。
子どもって、自分で“困る”ことを経験して、ようやく本気で変わろうとする。
だからこそ、中学生の今は「困らないように親が手を貸す」時期だと割り切ってもいいんです。
怒って責めるのではなく、
「どうしたら忘れずに済むかな?」を一緒に考える時間が、
あとから子どもの力になります。
まとめ|中学生の忘れ物、怒らずに減らすには“仕組み”で支えるのが近道
忘れ物が多い子を見ると、ついイライラしたり、
「しっかりしてよ」と責めたくなったりしますよね。
でもそれで変わる子は、実は少ない。
だったら、仕組みと工夫でラクに防げる方法を整えてあげるのが、
お互いにとっていちばんストレスが少ないと思います。
本人の努力より、まず環境を整える。
できないことを責めるより、「できる方法を一緒に考えようね」と寄り添う。
そんな姿勢が、子どもにとっても「自分はダメじゃない」と思える安心感につながるはずです。
忘れ物にイライラする日々、私も経験してきました。
でも今、ふりかえって言えるのは、「あの頃、責めすぎなくてよかったな」ということ。
怒らないで済む方法は、たくさんあります。
道具も、仕組みも、そして“見守る”というやさしいスタンスも。
忘れ物に悩むすべての親御さんが、少しでもラクになりますように。
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