「このまま成績が悪かったら、将来どうなるんだろう…」
親なら一度はそんな不安に襲われたことがあると思います。
塾で働いていた時、保護者の方から同じような相談を何度も受けました。
結論から言うと、成績が悪い=将来ダメというわけではありません。
ただし、冷静に押さえておいた方がいい“現実”があるのも確かです。
そしてそのうえで「じゃあ親にできることは何か?」を考えることが大事だと思います。
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成績が悪いと将来どうなる?まずは現実を整理しよう
「成績が悪いと将来どうなるのか?」という問いに対して、まず最初に見ておきたいのは“目に見える現実”です。
もちろん、成績だけで人生が決まるわけではありません。
でも、高校受験や進学、さらにその先で影響を受ける部分があるのも事実です。
ここでは、具体的にどんな場面で影響が出るのかを整理してみます。
高校進学の選択肢が狭くなる
中学生にとって最初の大きな分かれ道は高校受験。
成績が悪ければ、当然ながら選べる高校は限られてきます。
特に都立・公立高校では内申点も重視されるため、提出物や普段の学習姿勢が内申に直結します。
実際、塾に通っている子の中でも「もっと行きたい学校があったけど、内申点が足りずに受けられなかった」というケースはとっても多い。
親としても「子どもの可能性を広げてあげたい」と思うからこそ、この現実はよく知っておく必要があります。
▷内申点や提出物で差がつく理由を、具体的に解説しています
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学力不足は高校生活での挫折につながることも
なんとか高校に合格しても、基礎が抜けていると授業についていけず、再び「できないこと」を突きつけられることになります。
これは子どもにとって大きなストレスで、劣等感につながりやすい部分です。
私が見てきた中でも、高校1年生の夏頃から「授業についていけない」と感じて勉強自体を全くしなくなる子や、それが原因で不登校気味になる子もいました。
これは中学時代の「勉強の遅れ」が積み重なって表面化する典型例です。
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進学後や就職で「自己管理不足」が響く
成績が悪いこと自体が直接社会で不利になるわけではありません。
でも、成績が悪かった子の多くが共通して持っている、いわゆる「自己管理不足」は、その後の人生に大きく響きます。
具体的に言えば「遅刻」「忘れ物」などですね。
「提出物を出せない子」は、大人になっても「締め切りを守れない人」になりやすい。
「夜ふかしで遅刻を繰り返していた子」は、社会人になってからも時間管理が苦手で苦労するケースが多い。
これは単なる勉強の話ではなく、“生きる力”に直結する部分とも言えます。
それでも“将来うまくいく子”はいる

ここまで読むと「やっぱり成績が悪いと将来は厳しいのか…」と不安になったかもしれません。
でも安心してほしいのは、成績が悪くても、将来を切り開いていける子はたくさんいるということです。
塾や子育てで多くの子を見てきましたが、学力が高くても社会に出てから苦しむ子もいれば、成績はパッとしなくても幸せな人生を送っている子もいます。
つまり「成績=人生の幸せ」ではないということです。
▷成績が悪くても伸びる子に共通する力をくわしく書いています
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中学生の成績が悪い…それでも将来うまくいく子の共通点
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成績が悪くても伸びる子の共通点
成績が悪い子でも、将来うまくやっていける子には共通点があります。
- 困ったときに人に頼れる
- 人の話を素直に聞ける
- 最低限の自己管理ができる
この3つができる子は、高校以降で高確率で軌道修正できることが多いです。
社会に出ても人に可愛がられながら成長していける。
学力そのものよりも、この“人としての土台”が強いかどうかで、将来の伸び方が大きく変わるのです。
「人に頼れる・話を聞ける・自己管理できる」がカギ
逆に、この3つが欠けている子は、残念ながら勉強だけでなく人間関係や仕事でもつまずきやすい。
成績が良い悪い以前に、「人と折り合いをつけられるか」「自分の生活をコントロールできるか」が将来のカギを握っています。
ここで重要なのは、これらの力は生まれつきではなく、家庭での関わり方で伸ばしていける部分だということです。
親が今できることは“学力”だけじゃない
では今、成績が悪い子に親はどう関わればいいのでしょうか。
ここで大事なのは、「学力を上げる」だけにこだわらないことです。
社会に出てから必要になるのは、テストの点数よりも「生活を回す力」「人と関わる力」。
その土台を育てられるのは、日々一緒に暮らしている親だからこそできる役割です。
生活習慣を整えて自己管理の土台をつくる
夜ふかしや朝の寝坊、提出物の忘れ…。
成績の悪さの背景には生活リズムの乱れが大きく影響しています。
毎日同じ時間に起きる、寝る前にリビングを暗くする、食事は朝食をしっかりとる、そんな小さな工夫の積み重ねが自己管理力の第一歩です。
家庭での会話でコミュニケーション力を育てる
「あなたはどう思う?」と問いかけて、子どもの話を最後まで聞く。
これだけで子どもは「話を聞いてもらえる」という安心感を持てます。
親子の会話は、人に頼る力や話を聞く力の練習の場にもなります。

なかなか子どもの話を聞けないからもっとちゃんと聞いてあげないと…
勉強サポートを“親子の会話のきっかけ”にする
勉強を嫌がる子は多いですが、手伝ってもらうこと自体はうれしい子が多いはず(もちろん、お小言はナシで)。
「ここだけ手伝おうか?」みたいに声をかけるだけで、勉強が親子のコミュニケーションのきっかけになります。
うちも絶賛反抗期の頃、宿題の丸つけを手伝ったことがあります。
不思議とそのときだけは、落ち着いて会話できました。
まずは親自身も「自分を大事にする姿」を見せる
子どもは親の背中をよく見ています。
親が疲れ切っていたり、自分を粗末に扱っていたら、子どもも無意識に「自分を大事にしなくていい」と学んでしまうかもしれない。
親自身が自分や配偶者を大事にする姿を見せることも、子どもにとっては大きな学びになります。
最低限できれば“余計な劣等感”は防げる
学校は「できないことを突きつけられる場所」でもあります。
だからこそ、最低限のことをクリアできるだけで余計な劣等感を抱かずにすみます。
例えば、計算・英単語・提出物。
このあたりは少しの工夫と努力でカバーできる部分です。
親が手助けしてでも提出物を出せれば、子どもは「怒られずにすむ」安心感を得られます。
最低限のことをこなす力は、大人になってからも家事や育児、仕事を支える力になります。
「全部できる子」にする必要はなく、「これだけできれば大丈夫」というラインを作ってあげるのが、親ができる大切なサポートです。
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まとめ|成績が悪くても「人生が詰む」とは限らない

ここまで「成績が悪い子の将来」について、現実と希望の両面から整理してきました。
最後に要点を振り返っておきます。
- 成績が悪いと進学や選択肢には確かに影響する
- でも人生の成功=学力ではない
- 将来を左右するのは「人に頼れる・話を聞ける・自己管理できる」力
- 親にできるのは、生活・会話・最低限の学習をサポートすること
- 成績はその子の価値を決めるものじゃない
成績が悪い子でも、将来を切り開いていく力は育てられます。
親が焦らずサポートすれば、子どもは自分なりに未来を見つけていけます。
難しいとは思いますが、それを信じて待ってあげるのも大事な親の役目だと私は考えています。