中学生の家庭学習

子どもの成績が悪いのは母親のせい?元塾講師ママが伝えたい本当の理由

子どもの成績がふるわないと、
「私のせいなのかな…」
「ちゃんと見てあげられてなかったのかも」
そんなふうに感じてしまうことがありませんか?

学校や塾からの連絡、提出物の遅れ、面談での先生の言葉。
母親としてどうしても心が揺れてしまう瞬間があるかもしれません。

でも実際には、成績の悩みは“母親の関わりだけ”で決まるものではなく、
生活リズムの乱れ・気持ちの波・環境の変化など、さまざまな要素が重なっている場合が多いように感じます。

この記事では、塾講師としてたくさんの親子を見てきた経験と、
母としての悩みの中で気づいたことをお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • 成績がふるわないとき、母親が“自分のせい”と感じやすい理由
  • 成績不振の背景にある、生活・気持ち・環境の影響
  • 親が全部やろうとしなくていい理由と、無理のないサポート方法
  • 勉強に向かえない子に効く“整える関わり方”の具体例
  • 思うように改善しない時期との向き合い方と、成長とともに整う可能性

子どもの成績が悪いのは本当に母親のせい?

子どもの成績がふるわないと、
「私の関わり方が悪かったのかな…」と感じてしまう時期があるかもしれません。

特に中学生になると点数や順位が数字ではっきり返ってきますし、
塾や学校でも厳しい言葉をかけられることがあります。

面談で「このままだと厳しいかも」と言われると、
先生が責めるつもりじゃなくても胸に刺さってしまいますよね。

でも、中学生は心も生活も大きく揺れやすい時期。
成績が上がらない理由は、母親だけの責任と決めつけることはできません

たとえば、このような理由が考えられます。

① 生活リズムの乱れが影響している

夜更かしや朝の寝坊、提出物の遅れは、勉強以前に「生活のズレ」が背景にある場合も多いです。

生活が整うと、勉強への集中も自然と戻っていくことがあります。

② 思春期の“気持ちの波”が大きい

やる気が出ない、イライラしてしまう、落ち込みやすい…。

思春期の子どもは気持ちの揺れが大きく、勉強に向かえない時期が続くこともあります。
これは本人が悪いわけでも、母親の関わりのせいでもありません。

③ 家庭や学校の環境の変化が影響することも

部活の忙しさ、友人関係、親の仕事の変化など、
表に見えないストレスが積み重なっているケースもあります。

何かひとつの理由だけで「成績が悪い」と判断できないことのほうが多いのです

子どもが伸びるために必要なのは“全部のサポート”ではなく“必要な部分だけ”

子どもの成績が落ちると、
「もっと関わるべきだったのかな」と焦る気持ちが出ることがあるかもしれません。

でも、すべてを完璧に支える必要はなく、
その子が特に苦手な部分だけサポートするスタイルでも生活が整いやすくなることがあります。

ここでは現実的にできるサポートを整理しています。

苦手なところだけ“部分的に手を貸す”で十分なこともある

子どもがつまずきやすいポイントはそれぞれ違います。

たとえば…

  • 文房具やノートがすぐ無くなる → 予備を多めに置いておく
  • 提出期限を覚えられない → カレンダーや一覧表で一緒に整理
  • 行事・検定申込みなどネットでの作業 → 主に親が行う
  • 忘れ物が多い →声をかける・ リビングの見える場所に置いておく

すべてを親が背負う必要はなくて、
“この部分は苦手だろうな”というところだけ手を貸すだけでも十分なことがあります。

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勉強は“教える”より“入りやすい状態に整える”ほうがうまくいくことがある

思春期の子は、親から勉強を教えられることを嫌がる時期があります。
なので、無理に教えようとする必要はなく、

  • 丸つけだけ手伝う
  • 提出物の漏れをチェックする
  • YouTubeのわかりやすい解説動画を探しておく
  • 子どもが望めば塾の体験に一緒に行く
  • 教材は“できたらラッキー”くらいで数冊置いておく

など、“入り口を整えるサポート”のほうがうまくいくケースが多いです。

「これならできそう」という教材を一緒に見て選んで、
押しつけずにそっと置いておくだけでも十分。

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改善しない時期があっても自然なこと

どれだけ工夫しても行動が変わらない時期はあります。
それは親のせいではなく、子どもの“波”が大きいだけかもしれません。

うちの息子も、ゲーム・昼夜逆転・提出物の山…
改善の気配がない時期が長く続きました。

でも成長すると少しずつ、

  • 必要な日は自分で調整する
  • 寝る時間を逆算する
  • 「まずいな」と思った日だけ行動を変える

という力が自然と身についていきました。

“いま出来ないこと”が“ずっと出来ない”わけではない、
そんなふうに感じています。

まとめ|母親のせいだと思わなくて大丈夫。必要な部分だけ支えれば十分

子どもの成績に不安を感じてしまうのは、
親としてとても自然な感情だと思います。

でも、その気持ちをずっと抱え込む必要はありません。
子どもには子どものペースがあり、
親は「必要なところだけ」関わる形でも十分支えになることがあります。

この記事で伝えたかったことをまとめました。

【まとめ】

  • 成績がふるわない原因は、親の関わりだけで説明できないことが多い
  • 母親が不安を感じてしまうのは自然なことで、責める必要はない
  • 必要な部分だけサポートする“無理のない関わり”が子どもの安心につながる
  • 勉強は“教える”よりも“整える”サポートが役立つ場面がある
  • 改善に時間がかかっても大丈夫。成長とともに整っていくことがある

完璧なサポートではなく、
“今の生活の中でできること”を少しずつ。

その積み重ねが、
子どもにとっての安心につながっていくのではないかと思います。

▷具体的な支え方はこちらにまとめています。

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ryoko221

都立高校受験を中心に、のべ300人以上を個別指導。 現在も大手学習塾に勤務し、家庭と教育の両面から“がんばりすぎない受験サポート”を発信中。 2人の子どもは偏差値60台の都立高校に合格。 家事・育児の効率化アイデアや、親がラクになる勉強サポート術をお届けしています。