
学校の面談で先生から「お子さんの授業態度が悪いです」って言われちゃった
私、子育てのやり方を間違ってるのかな…
「子どもの成績が悪いのは母親のせい?」
そんなふうに悩んでしまうお母さんは、実は少なくありません。
塾の保護者面談やママ友同士の会話のなかでも、こうした言葉はたびたび聞かれます。
成績が下がったとき、自分の働き方、家での接し方、勉強への関わり方をふりかえり、「やっぱり私がちゃんと見てこなかったから…」と責めてしまう気持ち。
私自身も母親として、同じように感じたことがあります。
でも、成績が思うように伸びないとき、すべての原因が親にあるわけではありません。
お子さんの性格やタイミング、学校との相性、さまざまな要素が絡みあっているからです。
大切なのは、自分を責めることではなく、「今できること」を冷静に見つけていくこと。
そして、必要以上に自分に負荷をかけず、無理のない形でお子さんに関心を向け続けていくことです。
この記事では、元塾講師として多くの親子を見てきた経験と、母親として子どもと向き合ってきた実感の両方から、
- 勉強を教えられなくても大丈夫!
- 忙しくてもできるちょっとした関わり方
- 子どもに安心感を与える接し方
など、気持ちが軽くなるヒントや、実際に家庭で取り入れられる行動の工夫をご紹介していきます。

「成績が悪いのは私のせい?」と思ってしまう理由
子どもの成績に関する悩みは、決して珍しいものではありません。
特に中学生になると、急に勉強内容が難しくなり、思うような成績が取れないことがよくあります。
その中で「母親の関わり方が足りなかったのでは」と感じるのは、ある意味とても自然なことです。
SNSで見かける「勉強に寄り添う素敵なママ」や、ママ友との会話の中で耳にする他の家庭の子の成績。
そうした情報にふれるたびに、つい自分と比べて落ち込んでしまうこともあるでしょう。
また、塾などの教育現場でも、保護者の関わりが強調される場面があります。
もちろん、家庭のサポートは大切です。
ただし、それは「成績が悪いのは母親のせい」というような単純な話ではありません。
さらに言えば、学校や塾の面談では、どうしても母親が出席することが多く、そこで先生から「このままだと高校が厳しい」「提出物が出ていない」などの厳しい言葉を直接受け止めるのも母親であることが多いのが現実です。
そのような経験が続くと、「自分がちゃんとしていれば…」と感じてしまうのも無理はありません。
子どもは一人ひとり違いますし、勉強がうまくいかない理由もさまざまです。
その複雑さを無視して、母親だけに責任を背負わせるような考え方は、現実的ではありません。
母親だからこそできる“支え方”とは?

子どもに関心を持ち続けることが、親としての一番の支えになると私は思います。
「今日はどうだった?」「テスト、どこが難しかった?」そんなふうに話を聞く時間を、5分でもいいから作ること。
それだけでも、子どもは「ちゃんと見てもらえている」と感じられます。
これは時間の“長さ”ではなく、“密度”の話です。
また、忙しい方は難しいかもしれませんが、高校見学など将来にかかわる場所に一緒に行くのはとってもおすすめです。
親子で話す時間が自然と生まれ、子どもの将来に関心を持っていることが伝わる、非常に良い機会になります。
また、休日に子どもの買い物に付き合う、一緒に好きなものを食べに行く。
そんなささいなことでも「見てくれている」と子どもは感じるものです。
働き方は人それぞれで、時間に余裕のあるお母さんもいれば、フルタイムで仕事をしている方もいます。
けれど、大切なのは「子どもに関心を持っていること」が日々のやりとりのなかで伝わること。
それが、子どもにとって一番の安心感になります。
「勉強を教えられない=ダメな親」ではない
「私、勉強を教えられないから…」と自信をなくしてしまうお母さんも多くいます。
でも、親が勉強を教えることができるかどうかと、子どもの学力は必ずしも一致しません。
実際に、親が元教員だったり塾講師だったりしても、子どもと勉強のことでぶつかってしまうケースは少なくありません。
それは、親子という近すぎる関係ゆえに、指導ではなく感情が先に出てしまうことがあるからです。
家庭では、内容を「教える」よりも、「どう進めるか」「どうやって取り組んでいくか」を一緒に考えるほうが、子どもにとっても受け入れやすい支え方になります。
たとえば、「何から手をつければいいのか」「どんな順番で進めたらいいのか」といった“やり方”の部分を一緒に考えたり、「今日はこれだけやってみよう」と範囲を決めてあげるだけでも、子どもはぐっと動きやすくなります。
YouTubeの学習動画や解説サイト、学校の先生や塾の先生など、頼れるものは積極的に使っていけばいいのです。
親は“教える人”でなくても、“伴走する人”であれば十分。
テスト勉強の手伝い方はこちらの記事で
忙しくてもできる“ちょっとした関わり”を大切に

子育てと家事、仕事を両立させているお母さんにとって、「もっと子どもに関わりたいけど、時間が足りない」と感じるのは当然のことです。
それでも、ほんの少しの工夫で、子どもに「見てもらえている」「気にかけてもらえている」と感じてもらうことはできます。
- もし家にいれば「いってらっしゃい」「おかえり」と玄関まで出て声をかける(たった一言でも、気にかけていることは伝わります)
- 夕飯のときに「最近部活はどう?」などと子ども中心の何気ない話をする(何かを聞き出そうとはしないことがポイント)
- 子どもの趣味の話を否定せず聞いてあげる(興味がなくても「へえ〜」と反応するだけでOK)
たったそれだけのことでも、子どもにとっては大きな意味があります。
もし時間がどうしても取れないときは、忙しさを子どもに隠す必要はありません。
「今日はバタバタしちゃってるけど、明日テストだったよね。応援してるよ」と声をかけるだけでも、子どもは安心します。
そして、家事の時短やタスクの効率化によって、ほんの数分でも余裕が生まれたら、その時間を子どもと過ごすことに使う。
こうした工夫が、日々の安心感や信頼につながっていきます。
時短家事のヒントはこちらの記事で!
自分を責めすぎないために、知っておいてほしいこと
子どもの成績に一喜一憂するのは、親として自然な感情です。
でも、そのたびに「自分が悪い」と思ってしまうのは、とてもつらいことです。
成績が伸びない時期は誰にでもありますし、それは必ずしも親の対応が間違っているからではありません。
大事なのは、子どもが困ったときに「相談できる」「否定されずに話を聞いてもらえる」存在であること。
そして、お母さん自身が自分の生活や働き方を見つめながら、無理なく続けられる関わり方を見つけていくことです。
“母親だから”と背負いすぎず、「母親として、今の自分にできること」を少しずつやっていく。
それだけで、子どもはちゃんと受け取っています。
自分を責める時間を、「今なにができるかな」と考える時間に変えること。
それが、親にとっても、子どもにとっても、一番前向きな一歩になるのではないでしょうか。
「提出物」については、こちらの記事でまとめています