子どもが提出物を忘れたり、塾で「やる気がない」と注意されたり。
そんなとき、学校や塾から連絡がくるのはいつも母親の私のところでした。
責められてるわけじゃないとわかっていても、「ちゃんと見てなかったのかも…」と落ち込むこと、何度もありました。
「子どもの成績が悪いのは母親のせい?」
そう感じてしまうのって、実はよくあることなんです。
この記事では、塾講師としてたくさんの親子を見てきた経験と、
母としてのリアルな悩みを通して感じたことを、あなたにお届けします。

「成績が悪いのは私のせい?」と思ってしまう理由
子どもの成績が思うようにふるわないと、つい「私の関わり方が悪かったのかな…」と考えてしまうこと、ありますよね。
特に中学生になると、勉強の難易度も急に上がり、点数や順位がはっきり数字で返ってくるようになります。
その現実を前にして、不安やプレッシャーを感じるのは、子どもだけじゃなく親も同じです。
さらに、SNSには「勉強に寄り添う素敵なママ」の姿がたくさん流れてくるし、
ママ友との何気ない会話の中でも、「○○くんはすごく成績がいいらしい」なんて話が聞こえてくる。
わかっていても、どうしても比べてしまって、落ち込んでしまう…
そう感じるお母さんは、本当に多いと思います。
それに、塾や学校の面談に行くのは、たいてい母親の役目。
その場で「このままだと厳しいかもしれませんね」と言われると、
先生が責めるつもりじゃなかったとしても、やっぱり心にグサッときてしまう。
でも、子どもには子どものタイミングがあるし、勉強がうまくいかない理由も本当にさまざまです。
親が悪い、母親のせい、なんて話じゃありません。
うまくいかない時期があるのは当然。
大事なのは、「私のせい…」と責めることじゃなくて、どう寄り添っていくかなんです。
母親だからこそできる“支え方”とは?

子どもが思うように勉強しなかったり、成績が下がったりすると、
「もっと関わるべきだったのかな」と不安になること、ありますよね。
でも、ポイントは、“長く関わる”ことよりも、“短くてもちゃんと向き合う”こと。
時間の長さじゃなくて、密度なんです。
「今日はどうだった?」「何か難しかったところあった?」と、ほんの5分だけ話を聞いてあげる。
それだけでも、子どもにとってはすごく意味のある時間になります。
それに、たとえば高校見学や三者面談など、将来に関わるイベントに一緒に行くだけでも、
「親がちゃんと自分の未来に関心を持ってくれてる」と感じるものです。
あとは、休日にちょっと買い物に付き合ったり、一緒にアイスを食べたり。
たとえフルタイムで働いていても、子どもに“関心を向けている”ことが日々の中で伝わっていれば、それで十分。
完璧に関わらなきゃ、なんて思わなくていいんです。
「勉強を教えられない=ダメな親」ではない
「私、勉強を教えられないから…」と自信をなくしてしまうお母さん、多いと思います。
これは、まったく問題ありません。
実際、親が先生だったり塾講師だったりしても、
自分の子どもとはうまくいかないケースはけっこうあります。
私自身、塾で教えるのと我が子に向き合うのとでは全然違うなと実感しました。
なぜかというと、親子は近すぎる関係だから、感情が先に出てしまいやすいんですよね。
だから「教える」より、「一緒に考える」「見守る」くらいがちょうどいいんです。
たとえばこんな関わり方でも、十分サポートになります:
- 「何からやる?」と声をかけて、優先順位を一緒に考える
- 「ここまでやったら休憩しよう」と区切りを決めてあげる
- 教科書やプリントを一緒に見る
今はYouTubeや学習アプリ、塾の先生など、頼れるものがたくさんあります。
親がぜんぶを教えようとしなくても、「わからないなら一緒に調べてみようか」くらいでOK。
テスト勉強の手伝い方はこちらの記事で
忙しくてもできる“ちょっとした関わり”を大切に

子育てと仕事、家事に追われる毎日。
「もっと子どもに関わってあげたいけど、時間がない…」と感じるお母さんは、とても多いのではないでしょうか。
でも、すべてに手をかけなくても、ほんの少しの声かけやしぐさで、
「ちゃんと見てくれている」と子どもが感じられる場面はたくさんあります。
たとえば、こんな小さな関わりが、子どもにとっては大きな意味を持つこともあります:
- 家にいるときに「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかける
- 夕食のときに「最近、部活どう?」とさりげなく話題をふる
- 子どもの趣味や好きなことに、「それ面白いね」と関心を向けてみる
何かを深く聞き出そうとする必要はありません。
「気にかけてもらえている」と子どもが感じることが、安心感につながります。
また、どうしても忙しい日は、そのまま伝えて大丈夫です。
「今日はちょっとバタバタだけど、明日のテスト、応援してるよ」とひとこと添えるだけで、
子どもは“見放されていない”と感じるものです。
そして、もし数分でも余裕が生まれたら、その時間を「一緒に過ごす時間」にあててみる。
それだけでも、親子の信頼関係は少しずつ積み重なっていきます。
子育てと家事、仕事を両立させているお母さんにとって、「もっと子どもに関わりたいけど、時間が足りない」と感じるのは当然のことです。
それでも、ほんの少しの工夫で、子どもに「見てもらえている」「気にかけてもらえている」と感じてもらうことはできます。
- もし家にいれば「いってらっしゃい」「おかえり」と玄関まで出て声をかける(たった一言でも、気にかけていることは伝わります)
- 夕飯のときに「最近部活はどう?」などと子ども中心の何気ない話をする(何かを聞き出そうとはしないことがポイント)
- 子どもの趣味の話を否定せず聞いてあげる(興味がなくても「へえ〜」と反応するだけでOK)
たったそれだけのことでも、子どもにとっては大きな意味があります。
もし時間がどうしても取れないときは、忙しさを子どもに隠す必要はありません。
「今日はバタバタしちゃってるけど、明日テストだったよね。応援してるよ」と声をかけるだけでも、子どもは安心します。
そして、家事の時短やタスクの効率化によって、ほんの数分でも余裕が生まれたら、その時間を子どもと過ごすことに使う。
こうした工夫が、日々の安心感や信頼につながっていきます。
時短家事のヒントはこちらの記事で!
自分を責めすぎないために、知っておいてほしいこと
子どもの成績に一喜一憂するのは、親としてごく自然な感情です。
うまくいかないときほど「自分のせいかもしれない」と考えてしまうのも、誰にでも起こること。
でも、その気持ちをずっと抱え込んでいると、知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまいます。
成績が伸びない時期は、どの子にもあります。
そして、どの親にも「どう関わればよかったのか」と悩む時期があります。
大切なのは、子どもが困ったとき、落ち込んだときに、
「話してみようかな」と思える存在でいること。
叱るでもなく、放っておくでもなく、静かに寄り添ってくれる人が、子どもにとっては一番心強いのです。
そして、親であるあなた自身も、今の生活や働き方の中で、
無理なく続けられる関わり方を見つけていけば大丈夫。
ただ、「あなたのことを大切に思っているよ」という気持ちが、日々の中で伝わっていれば、それで十分です。
「母親だから」と背負いすぎず、「今の自分にできること」を少しずつ。
その積み重ねが、子どもにとっての安心になり、
そしていつか「親として、ちゃんとやれていたんだな」と思える日につながっていくはずです。
具体的な親の行動については、こちらの記事でまとめています