中学生の家庭学習

都立通信制高校が2026年度から“前期・後期”の2回実施に|親がまず知るべき変更点Q&A

近年、「やりたいことと両立するために“あえて通信を選ぶ”」という前向きな進路がじわりと増えています。

東京都もその流れを受け、2026年度から都立通信制高校の入試を“前期(2月)・後期(4月上旬)”の2回に見直しました

まずは「いつ・どう受ける? 併願は?」という親の疑問を、最新発表を基にやさしくQ&Aで整理します!

通信制高校の生徒が自宅で勉強している様子

2026年度 都立通信制高校入試の変更点まとめ【前期・後期】

東京都教育委員会は、2026年度から都立高校通信制課程の入試を「前期」と「後期」の2回に分けて実施すると発表しました。

  • 前期選抜:2026年2月22日実施、合格発表は3月2日
     (全日制・定時制と同じ時期。併願はできない
  • 後期選抜:2026年4月上旬実施(従来型。全日・定時制の選抜がすべて終了した後に実施)

背景には、通信制高校を“第1志望”とする受験生が増えているという現状があります。

以前は全日制からの転学が多い印象でしたが、最近は最初から自分の生活リズムや学び方に合わせて通信制を選ぶ生徒も増えてきました。
その結果、中学までとは違って“本当にやりたかったこと”に打ち込めるようになり、いきいきと高校生活を楽しんでいる子が多いと感じます!

▷通信制だけでなく、チャレンジスクールなど“成績が伸び悩む子向け”の選択肢もあります。詳しくはこちらの記事で。

中学生の成績が悪いと都立高校はムリ? チャレンジスクール・専科・通信制まで徹底解説

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都立通信制高校 入試Q&A|併願可否・日程・変更理由

通信制高校の外観の様子

Q1|前期と後期の違いは?(実施時期・併願可否・想定受験層)

前期

  • 中学卒業前(2月)に受験
  • 全日制・定時制との併願は不可
  • 「通信を第1志望にする子」が対象

後期

  • 4月上旬に実施
  • 従来型で、全日制・定時制の結果が出た後に受験可能

「通信を第一志望にして確実に進学したい子は前期」「まずは全日・定時を受けて、結果を見て通信に…という子は後期」と考えるとわかりやすい

Q2|なぜ見直し?—第1志望が増加する背景

近年は「不登校だから通信」というだけでなく、スポーツ・芸術活動などと両立するために通信を最初から選ぶ子が増えています。

都はそうしたニーズに応え、第1志望組に合うよう前期選抜を新設しました。

Q3|通信制に向いているタイプは?

  • 自分のペースで勉強を進めたい子
  • 体調・メンタルに配慮が必要な子
  • バイトや習い事、スポーツ活動と両立したい子
  • 通学よりも在宅中心で学びたい子

一方で注意したいのは、自由=放任ではないこと。
レポート提出やスクーリング(登校日)は必須で、自己管理力が求められます。

Q4|学費はいくら?—年間費用の計算例と注意点

都立の通信制は、公立なので学費はとても安めです。

  • 授業料(受講料):1単位336円(就学支援金で上限30単位まで実質無償)
  • 入学時:入学考査料950円、入学料500円
  • 教科書代:おおよそ2〜4万円
  • 生徒会費など:〜1,200円程度
  • スポーツ振興センター費:165円/年(学校による)
  • レポート郵送:1通15円程度
  • タブレット端末:学校により約3万円(年度により差)

例えば25単位履修なら授業料は8,400円/年。そこに教科書代や雑費を合わせても、年間4〜8万円前後で収まるケースが多いです。

就学支援金を使えば、授業料部分(1単位336円)は最大30単位までカバー可能。学費の差は「教科書代+タブレット端末代」で出る。

Q5|倍率は?—公表状況と読み方

都立通信制高校については、都の公式資料に“倍率”の数値は掲載されていません
そのため「〇倍だった」という具体的な数字は出せないのが現状です。

ただし、最近の入試結果を見ると:

  • 一橋高校(通信)・砂川高校(通信)
     → 1次募集後に2次募集を実施しており、定員を大きく上回る応募はなかったと考えられます。
  • 新宿山吹高校(通信)
     → 直近では2次募集が行われていない年度もあり、例年やや人気が高い傾向があると見られます。

つまり、通信制全体としては「必ず倍率が高いわけではない」けれど、学校によって人気に差があるのが実情です。

倍率が気になる方は、必ず最新の募集要項や学校ごとの発表資料をチェックしてくださいね。

Q6|転入・編入はできる?—募集時期・書類・手続きの流れ

都立の通信制高校には、「転学」(いま在籍している高校から移る)と「編入学」(一度退学した人などが再び入る)という2つの仕組みがあります。

  • 転学
     現在高校に通っている生徒が、別の高校に移ること。
     原則は同じ課程ですが、1年次2学期以降なら全日制→通信制といった異なる課程への転学も可能
     募集は年3回(3月・8月・12月)行われます。
  • 編入学
     一度退学した人や、中等教育学校・高専などから移るケース。
     条件:第1学年以上の単位を修得していることなど。
     募集は主に3月で、学校によって8月や12月も実施されます。
  • 必要書類・費用の例
     願書(学校配布)、住民票や在勤証明、在学証明や単位修得証明書など。
     入学考査料は950円(現金納付)。

失敗しない学校選びのポイント|スクーリング頻度・締切管理・校風チェック

子どもの進路に悩んでいる母親の画像
  • 生活リズムと自己管理
    締切を守れるか?朝型か夜型か?通信は「自分で動けるか」が成功の分かれ道。
  • 学校ごとの違い
    登校頻度は週1〜月数回などバラバラ。イベントや先生の関わり方も学校次第。
    👉 必ず説明会や学校見学で校風をチェック!
  • 青春イベントへの期待値
    文化祭や行事が充実している学校もあれば、最低限のところも。

どんな高校生活を送りたいか」で選ぶのがポイントです。

▷不登校からの進路選びについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【中学生 不登校】都立高校の種類と入試方法|高校受験の選択肢まとめ

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都立通信制高校は“選ばれる進路”に|親が意識したいまとめ

2026年度からの入試変更は、「通信制を第1志望に選ぶ子が増えている」ことの表れです。

  • 前期=第1志望組、併願不可
  • 後期=従来どおり、全日・定時の結果を見てから受験可能
  • 自由度が高い分、自己管理や学校選びの見極めが重要

通信制高校は「逃げ道」ではなく、子どもの可能性を広げる選択肢になりつつあります。

親としては「合うかどうか」を冷静に見極め、子どもの希望や性格に合わせてサポートしていきたいですね。

(最新情報は東京都教育委員会の公式ページで必ず確認してください)

▷通信制はレポート提出が特に重要。『提出物が出せない…』と悩む親御さんはこちらも参考に

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ryoko221

家事・育児の効率化をテーマに、暮らしをラクにするアイデアを発信中。 主婦ライターとして教育・子育て分野でも執筆しており、実体験にもとづいたレビューが得意です。