私立の単願推薦で行けると思ってたのに、内申が足りないって言われてビックリ…
え、これからどうすればいいの…?
2学期が終わりに近づく11月下旬〜12月上旬。
三者面談で内申を聞いた瞬間、期待していた進路がガラッと変わることは珍しくありません。
私立単願推薦で行けると思っていたのに届いていなかったり、都立志望のご家庭でも「思ったより内申が低くて志望校に届かない…」と悩むことがあります。
逆に、「内申が思ったより高かったから都立推薦を考えてみようか」というケースもあり、この時期は誰にとっても“判断が揺れる”タイミング。
実際、進路に関して次のような状況に直面するご家庭は少なくありません。
- 私立単願推薦の内申が足りず、急遽進路変更を迫られた
- 都立推薦は「受けられる」と言われたものの、実は合格ラインから遠かった
- 私立併願優遇を確保しないまま、私立一般入試に進もうとしていた
- 推薦制度そのものを誤解していたために判断を誤りかけた
こうした“進路の落とし穴”は、毎年必ず起こります。
この記事では、塾講師として実際に見てきたリアルな事例を交えながら、
推薦・単願の誤解を防ぐポイントといざというときに慌てないための進路準備 をわかりやすくまとめていきます。
▷都立高校受験の全体像を先に整理しておきたい方はこちらの記事も参考になります。
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【都立高校入試の仕組み】内申点・学力検査・推薦の流れをやさしく整理|親が知っておきたい基礎知識
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この記事でわかること
- 私立単願推薦・併願優遇で起こりがちな“誤解と落とし穴”
- 内申が足りなかったとき、現実的に取りうる進路の選択肢
- 私立一般入試のリスクと、併願優遇を確保する重要性
- 都立推薦の“受けられる”と“受かる”の違いと注意点
- 三者面談後に親が必ず確認しておきたいポイント
中3の秋〜冬に起きやすい“進路の落とし穴”とは?
この時期の進路トラブルの多くは、ほんの少しの認識のズレから生まれます。
私立単願推薦・都立推薦・私立併願優遇…
似ている言葉が多いため、仕組みを正しく理解していないと見落としが起きやすくなります。
まずは、保護者の方がつまずきやすいポイントから整理していきましょう。
「都立推薦うけられます」は“合格できる”の意味ではない
担任の先生が「都立推薦を受けられますよ」と言うとき、これはあくまで
- 欠席日数
- 素行(生活態度)
に問題がなく、「受験資格がある」というだけの意味です。
合格ラインに届いているかどうかは、また別の話。
そもそも都立推薦には明確な内申基準がなく、面接・集団討論・作文(学校による)での評価が大きく、倍率も高め。
どの生徒が受かるかは本当に読みにくい入試なのが実情です。
ですが、保護者や生徒は「推薦を受けられる」と聞くと、
「受かる可能性はそれなりにある」
と受け取ってしまいがち。
ここに大きな進路判断のズレが生まれます。
▷都立推薦や併願を決める際の“現実ライン”はこちらで詳しくまとめています。
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【都立高校志望の決め方】VもぎC判定でも迷わない!親が知っておきたい“現実ライン”と併願バランス
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私立単願推薦は“内申確定まで不確定”
私立単願推薦の基準内申に、検定や部活の加点を含めても【あと1つ】足りない…。
そんな「ギリギリ狙い」のご家庭は、実はかなり多くあります。
気持ちはとてもよくわかります。
努力すれば届くかもしれない、と期待したくなりますよね。
ただ実際には、中3の2学期で内申を上げることはかなり難しいのが現実。
授業態度・提出物・定期テストの積み重ねによる評価なので、短期間では動きにくいのです。
そのため、頑張っていたにもかかわらず内申が基準に届かず、 志望校の単願推薦を断念し、進路を変更せざるを得ない家庭が毎年必ず出ます。
ギリギリ単願は、こうしたリスクを常に抱えています。
私立一般は“狭き門”。だからこそ「私立併願優遇」が命綱
「単願がダメでも一般入試があるから大丈夫」と思われがちですが、私立一般入試は募集枠が少なく、倍率が高くなりやすいのが実情です。
それでも第一志望の私立に一般で挑戦したい場合は、滑り止めとして「私立併願優遇」を確実に確保しておくことが絶対条件です。
ただし注意したいのは、併願優遇が「都立第一志望」の場合にのみ適用される高校も多いという点です。
第一志望が同じ私立だったり、併願設定のルールが学校の条件に合わない場合、そもそも併願優遇が使えないケースもあります。
そのため、「私立同士で併願OK」な学校を早めにリストアップしておくと安心です。
内申不足で進路変更になったリアル事例(現場の声)
実際にどんなトラブルが起きているのか?
制度の説明だけではイメージしにくい部分も、リアルなケースを見ると一気に理解が進みます。
ここでは、塾で実際に経験した“突然の方向転換”の例を紹介します。
どれも珍しい話ではなく、毎年必ず起きているケースです。
私立単願推薦が足りず、急遽“私立志望→都立志望”に変更した家庭
その家庭はずっと「私立単願推薦で第一志望に行く予定」でした。
しかし、三者面談で2学期の内申が判明すると、志望校の推薦基準内申に届かないことが発覚。
都立一般に向けた入試対策に途中から合流することに。
長く「確実に決まる」と信じていた進路が突然崩れるのですから、本人も保護者もショックは大きいはずです。
それでも「都立入試で頑張る」と決めたこの生徒にとって、ここからの2ヶ月は大きな成長の期間。
学力も精神力も一気に伸びます。
合否に関わらず、その経験は確実に大きな財産になります。
これは単願確定では得られなかった成長です。
▷内申に不安がある場合は、こちらの記事で“今からできる対策”をチェックしてみてください。
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中学生の内申点を上げるには?提出物・授業態度・検定を味方にする方法
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都立推薦は受けられても、合格ラインは遠いケース
「都立推薦受けられますよ」と言われ、その気になってしまったご家庭のケースです。
しかし実際には、その高校の推薦に合格するには内申も学力も届いていない状態。
それでも推薦を受けることを優先し、作文や面接対策に時間を使いすぎると…
→ 推薦は不合格
→ 一般対策が遅れ、ランクを下げざるを得ない
このパターンは、本当に毎年あります。
都立推薦をおすすめできるのは、次の2つを満たす生徒だけです:
- 一般入試でも十分に合格を狙える学力がある
- 推薦で落ちても動揺せず、一般の勉強を淡々と続けられる
どちらか一つでも欠けている場合、推薦のせいで一般が危うくなる可能性があります。
▷都立一般に向けた学習の進め方は、こちらの記事が参考になります。
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中3の冬休み勉強法|都立高校入試に向けた“落とさない”勉強と教科別ポイント
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素行面で私立推薦・都立推薦どちらも難しくなったケース
これは数は多くありませんが、内申が基準に達していても「学校生活でのトラブル」により、私立推薦も都立推薦も受けられなくなることがあります。
突然の話に保護者の落胆は大きく、気持ちが追いつかないこともあります。
それでも、生徒は最後まで都立一般で努力し、見事に合格しました。
推薦が使えなくても、一般入試で合格できる道は必ずあります。
推薦に依存しているとその「別ルート」が見えなくなりがちですが、都立一般には学力検査がなかったり、単位制だったりと、多様な学校があります。
自分に合う選択肢は必ず見つかります。
▷こちらの記事では、様々な都立高校について詳しく紹介しています。
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中学生の成績が悪いと都立高校はムリ? チャレンジスクール・専科・通信制まで徹底解説
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判断を誤らないために知っておくべき【中3高校受験】の現実
進路で迷ったとき、保護者が陥りやすいのは「希望」と「現実」の線引きが曖昧になること。
どの家庭にも「こうなればいいな」はありますが、受験制度はとてもシビアで、見落とすと大きなリスクにつながります。
ここでは、進路判断で絶対に押さえておきたい“現実のライン”を整理していきます。
私立単願推薦の“ギリギリ狙い”は危険
単願推薦は「基準内申+1〜2」ほどの余裕が必要です。
少しでも基準を下回れば推薦が取れないため、ギリギリ狙いはとてもリスクが高い方法です。
(※加点の扱いを含め、内申基準は必ず高校側に事前確認を。)
学力不足で“ワンチャン都立推薦”はもっと危険
「受かったらラッキー!」と都立推薦を受けると、次のような負のループに陥りがちです。
- 推薦準備(作文・面接)で時間を大量に使う
- 一般入試に届くだけの学力が身につかない
- 仮に受かっても授業についていけず、学校生活に苦労する
実際に、推薦で合格したものの授業についていけず、単位不足や不登校から退学につながるケースは少数ながら毎年あります。
滑り止めは「私立併願優遇」で確保しておく
私立一般は倍率が高くなる傾向があるので、進路を安定させる“保険”として私立併願優遇が非常に重要です。
- 併願優遇は滑り止めとして最も安定
- 「都立第一志望」のみ対象の場合がある
- 私立同士で併願できるか、事前に必ず確認する
これを理解していないと、 「単願NG → 一般受験に切り替え → 私立一般が狭き門で落ちる」という最悪の展開になりかねません。
▷志望校の選び方についてはこちらで詳しく解説しています。
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【中学生 高校受験】都立か私立か?子ども基準で選ぶ志望校の決め方
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いざというときの“親のチェックリスト”
秋〜冬の時点で、以下の項目は必ず確認しておきましょう。
- 私立単願推薦の基準内申との差を把握している
- 滑り止めとなる私立併願優遇を確保済み
- 私立でも併願OKな学校を把握している
- 都立一般の可能性も視野に入れている
- 都立推薦に時間を使いすぎて学力が遅れていない
- 単願NG・推薦NGだった場合の“別ルート”も確保している
進路変更になっても大丈夫。“ここからの2ヶ月”は必ず力になる
今回の記事で押さえておきたいポイントをまとめます。
【ポイントまとめ】
- 単願推薦はギリギリ狙いがもっとも危険。確実に取れるラインで動くことが大切。
- 都立推薦の「受けられる」は合格可能性とは別物。期待しすぎない判断が必要。
- 私立一般は狭き門。滑り止めには必ず「私立併願優遇」を確保しておく。
- 内申は“水もの”。上がる・下がるを予測しすぎないで計画を立てる。
こうした現実をあらかじめ知っておくことで、突然の進路変更が起きても、落ち着いて対応しやすくなります。
目指していた進路が変わるのはつらいものですが、進路変更が「失敗」になるわけではありません。
むしろ、その場面で親子で考えぬいて決断したことこそが、子どもにとって大きな財産になります。
そして、そこから積み重ねた努力は、必ず子どもの力になります。