
中学生の息子、夏休みも全然勉強しないんだろうな…
「夏休みって、どうやって勉強させればいいの…?」
そんなふうに心配している保護者の方は、少なくないのではないでしょうか。
特に中学生は、学年によっても夏の過ごし方が大きく変わりますし、部活や遊びとのバランスに悩む時期でもあります。
この記事では、
- 中1〜中3の学年別の特徴と学習ポイント
- 子どものタイプ別におすすめの勉強の進め方
- 実際の1日のスケジュール例
を、元塾講師&子育て経験者の視点からまとめました。
夏休みをムダにせず、かといってがんじがらめにもせず、
「この夏、いい時間を過ごせたな」と思えるようなヒントになれば嬉しいです。

中学生の夏休みについて(学年別の特徴)
中学生の夏休みは、小学生時代とはまったく違う意味を持ちます。
学年によって「初めての部活中心の夏」だったり、「受験のための勝負の夏」だったり。
子どもの立場も、家庭のスタンスも変わってくるからこそ、学年別の特徴を知っておくことは大切です。
中学1年生|家族行事から部活中心の生活へ
中学に入って初めての夏休み。
これまでは親の予定に合わせていた子どもも、部活や友達との予定が優先されるようになり、「家族で旅行に行けない…」と寂しく感じることもあるかもしれません。
生活リズムも崩れがちなので、起床・就寝・食事の時間はできるだけ整えて、夜更かしや昼夜逆転を防ぐことが大切です。
また、「受験なんてまだ先」と思うかもしれませんが、この時期に高校見学に行っておくのもおすすめです。
実際に高校を見ておくことで、「高校に通うってこういうことか」と身近に感じられ、
「そのために、いま勉強する意味があるんだ」と日々の学習に前向きになれることもあります。
中学2年生|部活の主役に、忙しさと成長の夏
3年生が引退し、いよいよ自分たちが部活の中心に。
大会や合宿、部長・副部長などの役割を任される子も増え、「自分が中心になっている」という意識が芽生える時期です。
忙しさの中で、自立心やリーダーシップがぐっと育ち始めます。
一方で、家ではあまり話さなくなる子も増えてくるので、親は「見守る」姿勢を意識したいところです。
受験に向けては、そろそろ志望校の候補を考え始めるのにぴったりなタイミング。
中3になると高校見学のスケジュールが過密になりがちなので、余裕のあるこの時期にいくつか高校を見ておくと、後々とてもラクになります。
興味をもった学校に早めに足を運ぶことが、受験への第一歩になります。
中学3年生|部活引退と受験モードへの切り替え
部活を引退して、時間の使い方がガラリと変わる中3の夏。
このギャップに戸惑う子も少なくありません。のんびりしていた子でも、「周りが勉強し始めた…」と焦り出す時期です。
また、多くの家庭で高校見学の予定がぎっしり詰まる時期でもあります。
炎天下での見学は体力的にも大変ですが、もし可能なら、できるだけ多くの高校を見ておくことをおすすめします。
ただし、見学する学校の選び方には注意が必要。
1学期の内申をもとに、現時点の成績から大きく離れた高校を見に行くのはおすすめできません。
本人が「ここに行きたい」と思っても、現実的に合格が難しい場合、最終的には諦めざるを得ず、落ち込んでしまうこともあります。
中3の夏は、夢を見る時期ではなく、現実と向き合う時期。
今までの積み重ねをもとに、次の一歩をどう踏み出すかを考える大切なタイミングです。
とはいえ、勉強一色になりすぎるのもNG。
家族とのちょっとしたお出かけや気分転換も、秋以降のモチベーションにつながります。
夏期講習は必要?迷ったときの判断ポイントはこちら
学年別|夏休みの勉強ポイント

夏休みの勉強は「何をどれだけやるか」も大切ですが、「どのタイミングで、どんなふうにやるか」も同じくらい大切です。
ここでは、学年ごとの勉強の重点ポイントをまとめていきます。
中学生向けのおすすめ問題集はこちらで紹介しています
中学1年生:基礎を固めることを第一に
この時期はまだ受験には遠く、学習面では“生活リズムを崩さず、基礎を固める”のがいちばん大事。
- 英単語の書き取り練習(be動詞と一般動詞の違いをしっかり)
- 計算練習(小学校の分数・少数まで戻ってOK)
- 文章題や応用問題にも少しずつ挑戦
無理に長時間勉強させるより、毎日コツコツが最大の成果につながります。
計算ミスが多い子はこちらの記事を参考にしてください
中学2年生:苦手の芽をつぶす夏に
勉強が一気に難しくなる時期。 このタイミングでつまずきを放置すると、あとで巻き返すのが難しくなります。
- 英語は助動詞や疑問文・答え方の理解を
- 数学は一次関数に備えて比例・反比例をしっかり復習
- 理科・社会は1年内容のさらっと復習を
苦手の芽をつぶすことに集中したい夏です。
中2英語・1学期のポイントはこちら
中学3年生:受験の土台を作る大事な夏
塾の夏期講習に通う子も多いと思いますが、受け身の勉強だけでは力がつきません。
- 家での自主学習で“復習→理解→演習”の流れを意識
- 英語は英作文も練習スタート。難しい表現より、確実に書ける表現を
- 数学は関数(比例・一次関数)や因数分解、ルート計算の定着を
毎日5〜8時間…という声もありますが、実際には「どのくらい集中して取り組めるか」がカギ。
学習習慣がついている子ほど、短時間でも力をつけています。
タイプ別|夏休みの勉強の進め方と親の関わり方
子どもによって性格も生活リズムも違うからこそ、「うちの子に合った方法」を見つけていくことが、夏の勉強をうまく進めるカギになります。
ここでは代表的な3タイプについて、それぞれの進め方を紹介します。
家だと集中できないタイプ(平均くらいだけど家ではやらない)
- 「やろうと思ってたけどスマホを見て終わった」
- 「なんとなく机に向かうけど集中が続かない」
そんな子は、まず「家でやる習慣づけ」から。
- 朝イチに小テスト(英単語や計算)を習慣に
- 暗記系は親の目が届くリビングやダイニングで
- 図書館や自習室も試しつつ、最終的には家でも集中できる環境を
真面目だけど要領が悪いタイプ
- ノートまとめに時間をかけすぎて1日が終わる
- 時間を意識せずダラダラ勉強してしまう
このタイプには、時間管理の意識を育てることがカギ。
- タイマー学習(25分集中→5分休憩)を導入
- 「今日やることリスト(ToDo)」を朝に決める
- ストップウォッチで所要時間を記録するのもおすすめ
“やり終えた感”を持たせることで、勉強が前向きになります。
やる気ゼロタイプ(机に向かえない)
- 勉強に対して拒否反応あり
- 塾に行っても改善されない
まずは“できることから始める”のが一番!
- 中3でも中1の計算から、中1なら小学校の復習からでOK
- 「1時間勉強」ではなく、「10問やる」「1ページ解く」など“量基準”にする
- 小テスト→少し休憩→もう少し、のようにテンポよく
塾に通わせれば解決すると思いがちですが、本人がやる気にならないと意味がないのがこのタイプ。
家庭での関わり方が大事です。
小テストのすすめ|どのタイプにも効果的!
どのタイプの子にもおすすめしたいのが、「勉強のスタートは小テストから」。
- 英単語や漢字、理社の用語など、暗記系をサクッと確認
- 朝のウォーミングアップに最適
- 親が○つけ&一言リアクションをするだけでも効果大
最初の一歩を「できた!」で踏み出せると、その後の勉強もスムーズになりますよ。
家庭にプリンターやコピー機があると、小テストや課題プリントの準備がぐっとラクに!
特に白黒印刷がメインなら、レーザープリンターのコスパとスピード感は最強!
最近はコンパクト&お手頃価格のモデルも増えていて、家庭用にもぴったりです。
「勉強環境のインフラ」として、1台あると本当に重宝しますよ。

我が家でコピーや印刷に使っているのはこの機種です
1日のスケジュール例(タイプ別)

夏休みのスケジュールは、午前中に部活がない場合「学校のように朝9時スタート」が理想的。
午前中にやることを終わらせて、午後は自由時間にしてしまうくらいのメリハリが大切です。
受験生であっても「ずっと勉強」ではなく、「今日やると決めたことをしっかり終わらせたらOK」のスタンスで、気持ちの切り替えがうまくいくようになります。
時間帯 | 家で集中できないタイプ | 要領が悪いタイプ | やる気ゼロタイプ |
---|---|---|---|
9:00〜 | 小テスト(英単語・計算) | 小テスト+タイマー学習 | 計第3問+英単語3個など超短時間から |
10:00〜 | 英語・数学の課題(30〜45分) | 数学1ページ+時間計測 | 理社の動画+一問一答数問 |
11:00〜 | 理社チェック/休憩 | 英語読解+音読 | 音読や動画視聴で変化をつける |
午後 | 自由時間/部活 | 午前で終わらなければ調整 | 午前中におわる(成功体験) |
夜(希望) | 単語復習・軽いテスト | 暗記系・復習 | 気が向いたら少しだけ |

私は仕事で家にいないんだけど、一人で家にいてちゃんと勉強できるのか心配…
うちも夏休みは子どもだけで過ごす日もたくさんありました
帰ってから丸つけしてあげるだけでも「今日はここまでやったんだな」ってわかって、声かけしやすかったです
やれてなかった日も、「じゃあ明日はこれやってみよっか」って、一緒に切り替えるようにしてました◎

まとめ|“夏の過ごし方”が2学期の自信につながる

夏休みの勉強に、正解はありません。
でも、「これだけはやる」という小さな積み重ねが、必ず2学期以降の自信になります。
完璧なスケジュールなんてなくていい。
途中で計画が崩れても、「またやろう」と戻れる柔軟さがあればOK。
この夏、子どもが「自分なりにがんばれた」と思える時間を作るために、 親ができるサポート、ぜひ試してみてくださいね。