「受験勉強は夏からでいいですか?」
「部活が落ち着いてから本気になれば間に合いますか?」
新中3を前にしたこの時期、毎年のように聞かれる質問です。
結論から言うと、受験の準備は、春から始めるのがいちばん効率的です。
だからといって、今すぐ何時間も勉強しなければいけないわけではありません。
春休みは「追い込み」ではなく、「土台を整える時期」です。
「何をやればいいかわからない」という方のために、春休みにやるべきことを5つにまとめています。
計画表もダウンロードできるので、ぜひ使ってみてください。

なぜ新中3の春休みが本当のスタートなのか
中2の3学期が終わり、新中3になる春。
「受験まではまだ1年ある」と思うかもしれません。
でも実際には、中3の1学期はあっという間に過ぎます。
クラス替え、部活の本格化、最初の定期テスト、修学旅行や学校行事。
気づけば、夏休みが目の前です。
夏から本気になって伸びる子もいます。
ただ、現場で見てきた感覚として言えるのは、夏から始めると「総復習」で時間が終わってしまうケースが多いということです。
春休みは、まとまった時間が取れる最後のチャンス。
中1・中2の内容を落ち着いて振り返り、受験に向けた戦略を決められる時期です。
焦らなくて大丈夫。
でも、始めた人から静かに差がついていきます。
▷中3の1学期は想像以上に忙しくなります。親の動きもこの時期から重要になります。
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中3の春に親がやるべき受験サポート
4〜6月で差がつく行動リスト続きを見る
春休みにやるべき5つ

とはいえ、「何から始めればいいかわからない」という方も多いと思います。
塾講師として、そして実際に受験を経験した親として、春休みにやっておいてよかったと思うことを5つにまとめました。
全部完璧にこなす必要はありません。できることから始めてみてください。
① 英語・数学の総復習(中1〜中2の総点検)
まず最優先は、英語と数学の総復習です。
受験に直結する教科であり、積み上げ型の科目でもあるからです。
中3になると、新しい単元がどんどん進みます。
その中で「実は中1・中2があやしい」という状態だと、理解が一気に苦しくなります。
春休みにやるべきことは、完璧に仕上げることではありません。
◯数学
・計算で止まらないか
・表面積や体積をスムーズに求められるか
・一次関数がなんとなくでも説明できるか
◯英語
・基本文法(be動詞・一般動詞・過去形・助動詞など)は整理できているか
・単語が思い出せるか
・短い長文なら読み切れるか
この点検が目的です。
ここで穴が見つかれば、それだけで春休みは成功です。
弱点を可視化できれば、夏の勉強はまったく違うものになります。
まずは英数から始めてみてください。
② 地理・歴史をざっと一周しておく
英数が最優先ですが、余裕があれば社会にも触れておきたいところです。
春にやる社会は、「完璧に覚える」ことが目的ではありません。
地理なら、日本の地形や気候、工業・農業の分布を思い出す。
歴史なら、時代の流れをざっと確認する。
細かい用語を全部覚え直す必要はありません。
大切なのは、「一度見たことがある」「なんとなく思い出せる」状態にしておくことです。
夏から本格的な入試対策に入るとき、社会がゼロからの復習になってしまうと時間が足りません。
春に全体像を軽くなぞっておくだけで、夏は「思い出す作業」からスタートできます。
夏に思い出すための下地を作っておく、それだけで社会の対策はかなり変わります。
▷「中学生向けレベル別おすすめ問題集まとめ」はこちら。
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【中学生の家庭学習】レベル別おすすめ問題集と効果的な使い方ガイド
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③ 英検6月に向けて今から始める
6月の英検を受ける予定があるなら、春休みから準備を始めるのが理想です。
英検対策は受験勉強とある程度重なっていて、単語力・会話文・長文読解など、どれも入試に役立ちます。
春のうちに英検用の単語帳を一冊買って、毎日少しずつ進めておくだけで、6月までの準備がぐっと楽になります。
▷英検の具体的な対策や勉強スケジュールはこちらの記事で詳しく書いています。
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中3で英検準2級に合格!
1学期に受けてよかった理由と勉強スケジュール続きを見る
④ 1学期の予習で内申の土台を作る
春休みの後半は、1学期の予習に少しだけ時間を使ってみてください。
完璧に理解する必要はありません。
「一度見たことがある」状態にしておくだけで十分です。
中3の1学期は、想像以上に忙しくなります。
授業スピードも速くなり、最初の定期テストも意外と早い。
内申点を意識するなら、ここでのスタートはとても重要です。
予習をしておくと、余裕が生まれます。
特別なことをする必要はありません。数学なら、最初の単元を教科書で読んで例題を解いてみる。
英語なら、新しいUnitの単語と本文を軽く訳してみる。
それだけで、1学期の体感は大きく変わります。
▷1学期の内申は、受験に直結します。
通知表に響く「見えない努力」については、こちらでも詳しくまとめています。
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【中3】内申アップは春が勝負?
通知表に響く見えない努力を家庭で仕込む方法続きを見る
⑤ 志望校との距離を測る(模試・内申の確認)
春は、勉強を始めるだけでなく、「どこを目指すのか」を考える時期でもあります。
まだ志望校がはっきり決まっていなくても大丈夫です。
大切なのは、
- 今の内申点はどのくらいか
- 模試の偏差値はどのあたりか
- 目指したい学校との距離はどれくらいあるか
この現在地を知ることです。
距離が分かれば、やるべきことが見えてきます。
- 英語を強化すべきか。
- 数学の応用を増やすべきか。
- 内申をどこまで上げたいのか。
なんとなく頑張るのではなく、「どのくらい頑張れば届くのか」を考える。
それが受験生のスタートです。
まだ志望校が決まっていなくても大丈夫。
まずは内申点と模試の結果を一度確認してみるところから始めてみてください。
春に動いた子が1学期で伸びる理由【体験談あり】
春から動いた子が、すぐに爆発的に伸びるかというと、そうとは限りません。
むしろ、春の努力は静かです。
周りもまだ本気モードではなく、部活も通常運転。
大きな模試の結果が出るわけでもない。
でも、春に基礎を整えた子は、1学期で伸びやすい。
理由はシンプルです。
授業が理解できる。
定期テストで安定する。
提出物や小テストも余裕を持ってこなせる。
「焦って追いつく」のではなく、
「余裕を持って積み上げる」状態になるからです。
実際、わが家でもそうでした。
中2の3学期まで、「ちゃんとやってるわりに、内申に出ないな」とずっと思っていました。
テストの点数は少しずつ上がっていたけれど、なかなか結果には出てこない。
でも、やっていることは間違っていないと思っていたので、娘も私も、そのまま続けました。
英検も、本当は2学期に受けるつもりだったのを前倒しにしたので、春はそれなりに大変でした。
部活も忙しかったし、受かる確信なんて全然なかった。
それでも、長時間勉強するとか、ガリ勉するとかではなく、体調管理も息抜きもしながら、時間を見つけてコツコツやっていっただけです。
娘が急にやる気になったわけでもありません。
「よし、春から本気出す!」なんてこともなく、ただ今まで通りを続けた、という感じでした。
それでも6月の英検準2級に合格して、1学期の英数国がすべて5になったとき、正直に言うと「やっぱり続けててよかった、間違いじゃなかった」という気持ちでした。
だから私は、こう思っています。
勉強を始めた子は、必ずどこかで伸びる。
伸びるタイミングは人それぞれです。
でも、春から始めれば受験には必ず間に合う。
夏から頑張る子を否定するつもりはありません。
努力はいつからでも意味があります。
ただ、「夏からやればいい」と思っていると、思った以上に時間は足りなくなることが多い。
春なら、まだ余裕があります。
春を逃すとどうなりやすいか

「受験はまだ先」
「せっかくだから春休みくらい遊びたい」
「部活に全力を出したい」
その気持ちは、全然おかしくありません。
中3になる前の春休みです。楽しんでほしいとも思います。
ただ、一つだけ伝えておきたいことがあります。
受験モードというのは、スイッチを押したらすぐ入れるものではない、ということです。
部活を引退したら本気になれる、と思っている子は多いです。
でも現場で見ていると、引退しても切り替えられない子の方が多い。
時間ができても、やらない習慣はそのまま続きます。
逆に、部活で忙しい時期から細切れでいいから勉強を続けていた子は、引退後もそのリズムを保てる。
「忙しくても少しやる」という習慣は、時間が増えてからも生きてくるんです。
もう一つ、夏からはみんなが頑張り出す、という現実もあります。
夏に本気を出すのは、あなたのお子さんだけではありません。
周りも同じように動き出します。
夏から追いかけ始めると、頑張っているのに「時間が足りない」と感じるケースがとても多いです。
遊ぶな、部活を手抜きしろということではありません。
ただ、1日30分でも、問題集1ページでも、春のうちから勉強に向かう時間を持っておく。
それだけで、中3になってからのスタートが全然違います。
春休みのおすすめ学習スケジュール(ダウンロードあり)
ここまで読んで「でも、実際どう動けばいいの?」と思った方のために、春休みの学習計画表を作りました。
無料でダウンロードできます。
計画表の構成
数学・英語それぞれ14日分になっています。
前半のDay1〜9は基礎固めフェーズです。中1・中2の単元を一通り点検できる構成にしました。
完璧に仕上げる必要はありません。
「できた・できなかった」を確認するだけで十分です。
後半のDay10〜14は予習フェーズです。
数学は中3の最初の単元(乗法・除法、乗法公式、因数分解)、英語は入試形式の演習や英検対策に充てられるようにしています。
使い方のポイント
毎日全部やろうとしなくて大丈夫です。
基礎単元には★マークをつけています。
まずは★の単元を優先してください。
「できた?🌟」の欄は、完璧にできた日だけでなく、「触れた」だけでもチェックしていい。
少しでも続けることが一番の目的です。
一点だけ注意してほしいのは、Day1から順番にやらなくてもいいということです。
「数学の方程式はわかってる、でも関数が怪しい」という場合は、そこから始めて構いません。
計画表はあくまで地図です。自分の弱点に合わせて使ってください。
英検を受ける予定がある場合は、Day12以降を英検対策に切り替えることをおすすめします。
単語・長文・リスニングをローテーションするだけでも、春のうちに土台が作れます。
英検を受ける予定がある場合、単語は学校のワークや教科書ではなく、英検用の単語帳を一冊買うことをおすすめします。
※スマホの場合はコンビニ印刷がおすすめ。
春休みに動き出した子は、必ずどこかで伸びる
新中3の春休みは、受験勉強のスタートラインです。
まだ周りが本気になっていないこの時期に、静かに準備を始めた子から差がついていきます。
新中3の春にやっておきたいことは、この5つです。
新中3の春にやること5つ
- 中1・中2の総復習(特に英数の基礎)
- 英検対策をスタート(6月受験を視野に)
- 地理・歴史をざっくり振り返る
- 1学期の予習を少し触れておく
- 春のうちに「学習の型」を作る
春は、「一気に伸ばす」時期ではありません。
土台を固める時期です。
急に成績が跳ねることは少ないかもしれません。
でも、春から積み重ねた子は、必ずどこかで伸びます。
それが1学期か、夏か、秋かは人それぞれ。
けれど、受験には必ず間に合います。
夏から頑張るのも悪くありません。
ただ、いちばん効率的なのは今始めること。
春は、まだ間に合う季節です。
まずは計画表を印刷して、今日から一歩だけ進めてみてください。