
中2から勉強って、もう遅いのかな…?
「成績は2や3が多くて、塾もまだ行ってない。でも、そろそろ受験が気になってきた」
そんな中学2年生の親御さんにとって、今はまさに“最後の仕込みどき”です。
こんにちは!塾講師として10年以上、中学生の指導に携わってきました。
これまでに数百人をサポートし、自分の子ども2人も偏差値60以上の都立高校に合格!
現在は教育系Webライターとして、家庭学習や親の関わり方をテーマに情報発信しています。
この記事では、勉強習慣がゼロの中2でも「今から間に合う理由」と、
家庭でできる「3つの復習ステップ」を、親の視点からわかりやすくお伝えします。

中2から勉強しても、まだ間に合う3つの理由
中2の春や初夏、ふと「うちの子、成績大丈夫かな…」と不安になること、ありませんか?
部活も忙しいし、友達との関係も気になる年頃。
塾に通わせるタイミングも迷うし、家庭学習をやらせたいけど、どこからどう手をつけたらいいのかわからない——。
でも、大丈夫。
今このタイミングだからこそ、勉強のリスタートがしやすい時期でもあるんです。
ここでは、「まだ間に合う」と言える理由を、親目線でわかりやすくお伝えします。

今さらって思ってたけど…
まだ間に合うって言われるとちょっと安心するかも
中3になると“失敗できない”本番が始まるから
中学3年になると、いよいよ「内申点」が現実のものとして響いてきます。
「このテストはもうやり直しがきかない」
「今回の提出物、出さなきゃ内申が…」
そんなプレッシャーが一気にのしかかってくるんですよね。
でも中2の今は、まだ試せる・失敗できる時期。
「どんな勉強法が合うのか」「どんなサポートが響くのか」を、親子でいろいろと試してみる時間的な余裕があります。
だからこそ、この時期にちょっとでも動き出せば、中3になったときに“差”がつき始めているはずです。
基礎が抜けたままだと、中2・中3は積み上がらない
数学も英語も、教科書は“階段”のようにつながっています。
中1の「文字式」ができていないと、中2の「式の計算」はつまずきやすく、
「比例・反比例」があやふやだと、「一次関数」で完全に足を取られてしまいます。
英語も同じ。
be動詞・一般動詞・疑問文・否定文…この基本の理解が曖昧なまま中2に入ると、英文が急に長くなり、「何を言っているのかまったくわからない…」となりがちです。
でも、逆に言えば、今のうちに中1の土台をしっかり作り直せば、ぐっと楽になる。
そしてそれは、今の中2だからこそできること。
中3になると、その余裕はありません。
習慣づけは“今”がいちばんしやすいタイミング
中2は「まだ受験生じゃない」という気のゆるみもありますが、
その分、親の声かけが入りやすい時期でもあります。
「1日5分だけやってみようよ」
「これだけ終わったら、ゲームしていいよ」
そんな、“小さな成功体験”を積み上げる工夫が、今ならまだ効く可能性があります。
これが中3になると、「うるさいな」「もう手遅れだし」なんて返されてしまうことも。
だからこそ、中2の今が「勉強習慣を身につけるゴールデンタイム」です。
復習のポイントは“中1内容にしぼる”こと

「中2なんだから、まずは中2の勉強を…」と思いがちですが、
実はここで中1の基礎をスルーしてしまうと、この先、さらに苦手が増えていくだけ。
部活も忙しいし、塾もまだ検討中。
そんな今のタイミングこそ、あえて“中1の復習”にしぼることで、勉強へのハードルをぐっと下げることができます。
▶「家庭学習ってどう始めればいいの?」という方向けに、こちらの記事で“初めの一歩”をまとめています👇
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【新中1の親必見】塾っていつから通う?家庭学習の始め方と注意点まとめ
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数学:中2内容に入る前に、“計算力”を立て直そう
数学でつまずいている子の多くが、実は「中1の計算」に課題を抱えています。
特に、「文字式」や「正負の数」「方程式」あたりが怪しいままだと、中2で出てくる「式の計算」「連立方程式」なんて、とても太刀打ちできません。
ここで大事なのは、“とにかく中1に戻る勇気”をもつこと。
子どもにとっては「今さら戻るなんて嫌だ」と感じるかもしれませんが、
そこは親の声かけで、「ここをやり直すことが、中2の点数アップにつながるんだよ」と前向きに伝えてあげましょう。
中1のワークを使って、まずは「できた!」の感覚を取り戻す。
1問ずつ、できたらマルをつけて、「やったね!」と声をかける——
そんな地道な積み重ねこそが、今の子に一番必要な勉強です。

そうか、今つまずいてるのって、中1の“文字式”のせいかもしれないのね。
▶中1の計算についてはこちらにも詳しく書いてあります
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【中1数学】計算ミスを防ぐ!家庭でできるサポート術
中学1年生の数学、最初に待ち受けるのは「正負の数」や「計算問題」の壁。そして、最初のテストで意外と多くの子がつまずくのが、「うっかりミス」。 「わかってるのに間違えた…」「あとちょっとで満点だったのに ...
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英語:まずは“教科書の基本文”を暗記しよう
英語もまた、「中2から急に難しくなる教科」です。
単語が増え、英文が長くなり、いきなり「読めない」「訳せない」状態に。
でもよく見てみると、その原因の多くは、
中1で習った「基本文」があいまいなままになっていることにあります。
そこでおすすめなのが、教科書の巻末などにある「基本文の一覧」を活用すること。
1日3文ずつ、声に出して読んで、暗記していく。
最初は、プリントにして穴埋めでやってみたり、日本語→英語、英語→日本語のクイズ形式で進めてもOK。
覚えたものを「書いてみる」ことも大事ですが、まずは口に出して・目にして・慣れること。
この“ゆるい始まり”が、勉強への拒否感をなくし、習慣化につながっていきます。

1日3文なら、なんとかできそう…!
「わからない」を前提に、サポートのハードルを下げる
中1の内容をやり直そうとすると、子どもが「わからない!もう無理!」とパニックになることもあります。
そのときに、「だから言ったでしょ」「こんなこともわからないの?」という言葉は禁物です。
大事なのは、“最初からわからない前提で進める”こと。
問題数を絞ったり、1問ずつ丸つけをしてあげたり、とにかくハードルを下げて、
「これならやれるかも」と思わせることが先です。
また、家庭でできそうになければ、夏休みに個別塾などで“復習だけ”をやってもらうのも一案。
でも、無理に塾を探すより、家で「中1ワークを少しずつやる」ほうが、習慣化という意味では長続きすることもあります。
勉強習慣ゼロの子でも続けられた!3つの仕組み

「勉強しなさいって言っても、全然動かない…」
「机には向かうけど、ノート開いて終わり」
そんな“やる気ゼロ”な子どもに、ついイライラしてしまうことってありますよね。
でも、やる気がないのは、“やり方がわからない”からかもしれません。
特に中2の今は、部活やスマホなど、楽しいことがたくさんある時期。
その中で勉強に目を向けさせるには、「やる気」ではなく、“仕組み”で動けるようにする工夫がカギになります。
1日5分からでOK!“小テスト作戦”でゲーム感覚に
いきなり「30分勉強しなさい」は、勉強習慣がない子にはハードルが高すぎます。
まずは1日5分、1問だけでもOK。
たとえば、穴埋めプリントを1枚だけ/計算ドリルを1ページだけ、などクイズ感覚”の小テストからスタートしましょ
大事なのは、「できた!」「すぐ終わった!」という小さな達成感。
タイマーを使って「よーいスタート!」とゲームっぽく始めるのも効果的です。
親が丸つけをして「ここ正解!」「惜しい、ここはもう一回やってみよう!」と声をかけるだけでも、子どもはちょっとやる気になります。
勉強道具は“出しっぱなし”にするのが正解
「さあ勉強しよう」と思っても、教材を取りに行って、筆箱を開けて…と準備に時間がかかると、それだけでやる気がそがれてしまいます。
だからこそ、勉強道具は“使いやすい場所に出しっぱなし”が正解。
リビングのすみや子ども部屋の机に、
- 使う予定のノート
- 小テスト用プリント
- 筆記用具
などをまとめて置いておき、「思いついたときにすぐ手を出せる環境」にしておきましょう。
「勉強=机に向かう」という固定観念をゆるめて、“目についたら、すぐできる”を目指すと、驚くほどハードルが下がります。

出しっぱなしは「だらしない」と思ってたけど、それも勉強するための一つの手なのね
丸つけは親(or兄弟)でOK!“見てくれる人”がいると続く
子どもって、誰かに「見てもらってる」と感じるだけで、やる気が変わるものです。
特に中2くらいになると、自分で丸つけをサボったり、答えを写して終わらせてしまうこともあるので、“丸つけ担当”がいることが大事。
もちろん、親が教える必要はありません。
答えと見比べて、「ここ正解だね!」「ここだけ間違ってたよ!」と声をかけるだけでも十分。
お兄ちゃん・お姉ちゃんがいれば、「ちょっと見てあげてくれる?」と頼んでみるのも◎
“勉強してるところを誰かが見てくれる”だけで、子どものモチベーションはぐんと上がります。
親ができるサポートと声かけのコツ
中2の子どもにとって、勉強は「やらなきゃいけないけど、めんどくさいもの」。
だからこそ、親のちょっとした声かけや関わり方が、やる気の火をともすキッカケになります。
とはいえ、親だって忙しいし、イライラすることもあるのが本音。
ここでは、がんばりすぎなくてもできる「親のサポートの工夫」をご紹介します。
子どものプライドを守る声かけを意識する
中2は思春期ど真ん中。
ちょっとした言葉に敏感に反応し、「うざい」「もういい!」と反発されることもあります。
でも裏を返せばそれは「自分なりにがんばりたい」という気持ちのあらわれ。
だからこそ、子どものプライドを傷つけない声かけを意識してみましょう。
たとえば…
- 「こんなこともわからないの?」→「ここ難しいよね、わかるよ」
- 「ちゃんとやりなさい!」→「5分だけ、一緒にやってみよっか」
- 「サボってるだけでしょ」→「疲れてるだけかもね。ちょっとずつやってみようか」
大切なのは、「できないことを責めない」「一緒に向き合う姿勢を見せる」こと。
それだけで、子どもは少しずつ、心をひらいてくれるようになります。
▶提出物を出さないことに悩んでいる方はこちらもぜひ。
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親が“完璧じゃなくていい”というスタンスを持つ
「ちゃんと教えなきゃ」「サポートしなきゃ」と気負いすぎてしまうと、
親のほうが疲れてしまって続きませんよね。
でも、教えることが目的じゃなくて、“見守ること”が一番のサポートになるんです。
たとえば、
- 子どもが小テストをやったら、〇×だけつける
- ノートをチラッと見て、「頑張ってるね」と声をかける
- 勉強時間に寄り添って一緒に机に座る(スマホ見ててもOK)
そんな小さな関わりが、“勉強=家の中で応援されること”という空気を作ってくれます。
遊びも大切にしながら「今やっておけばラクになるよ」と伝える
中2は、部活・友達・スマホ・ゲーム…とにかく楽しいことがいっぱいの時期。
勉強をがっつり詰め込もうとしても、うまくいかないことが多いかもしれません。
だからこそ、“遊びを否定せず、勉強とのバランスをつける”声かけが効果的。
- 「やりたいことはやっていい。でもちょっとずつ勉強もやっていこう」
- 「今がんばっておけば、受験のときにラクだよ」
- 「中3になると、なかなか失敗できないから、今が練習のチャンス!」
勉強だけに絞るんじゃなく、“今だからこそできることがある”と伝えるスタンスで声をかけていきましょう。
▶「受験っていつから意識すればいいの?」と感じた方には、こちらもおすすめです。
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中2のこの時期は、子どもにとっても親にとっても、悩みが増える時期。
「なんとなく勉強が気になるけど、なにをすればいいのかわからない」
「塾はまだ早い?でもこのままで大丈夫?」
そんな不安を抱えているご家庭も多いと思います。
でも、今日から少しずつでも動き出せれば、中3になる頃には“勉強が日常にある状態”を作ることができます。

中2って、実は“勉強リスタートのベストタイミング”なんだ!
ここまでのポイントをもう一度おさらいすると…
- 中2からでも勉強は間に合う!
→ 中1内容をしっかり復習すれば、基礎が整い、先がラクになる - 最初は「勉強の習慣づけ」からでOK!
→ 1日5分の小テストや出しっぱなし作戦が意外と効く - 親の関わり方で、子どもの気持ちは変わる
→ 見守る・丸つけする・遊びを否定しない姿勢がカギ
「どうせうちの子には無理…」
「中1からやっておけばよかった…」
そんな風に後悔しそうになったときこそ、今日からでいいんです。
“今がラストチャンス”ではなく、“今がベストチャンス”。
それが中2という時期の最大の魅力。
親子で一歩ずつ進んでいきましょう!