家庭学習

“やる気がない”のは疲れてるサイン?中学生活スタートの親の関わり方

サブタイトル「中1での変化に疲れている子どもへの接し方」

うちの子、中学に入ってから、なんだか元気ない感じがして心配…

中学生活が始まってしばらく経つこの時期、「うちの子、なんかやる気ない…?」と感じる親御さんは少なくありません。

でも、ちょっと待って。
それって本当に“やる気がない”のでしょうか?

慣れない通学、部活、授業のスピード。小学校とは比べものにならない生活の変化。
そこに人間関係や思春期の入り口が重なれば、心も体もいっぱいいっぱいになって当然です。

この記事では、塾での講師経験と、親としての実体験の両方から、
「やる気がないように見える中学生」の本音と、親ができる寄り添い方についてお伝えします。

子どもたちだけでなく、親自身も新しい環境に慣れようとしているこの春。
あたたかく見守るヒントを、一緒に考えていきましょう。

はじめまして!塾講師として10年間、中学生の指導に携わってきました。
自分の子ども2人も、偏差値60以上の都立高校に合格!
家庭学習の力を信じて、親の関わり方や時短家事の工夫も発信しています。

中学生活スタートは“人生の変化ラッシュ”

中学校への進学は、子どもにとって世界がガラッと変わるくらいの一大イベント。

制服に部活に教科担任制。初めての定期テストに、新しい友達づきあい。
ほんの数ヶ月前までランドセル背負ってた子が、急に“中学生”として立ち回らなきゃいけない。

そりゃ疲れますよね。

授業スタイルの変化とスピードアップ

まず驚くのが、授業のテンポ。
「まだ分かってないのに、すぐ次の単元に行ってしまう」という悩みは自分の子や生徒からよく聞きました。

しかも教科ごとに先生が違うから、話し方や雰囲気もバラバラ。
「先生に質問したいけど、なんか怖くて…」って尻込みして、わからないところを放置したままっていう子も多いです。

この辺の“困ってるけど困ってるって言えない”感じ、親が気づいてあげるのも難しいんですよね。

新しい人間関係とSNSの壁

そしてさらにしんどいのが、人間関係の変化。
小学校のころの友達とクラスが分かれて、「また1から人間関係を築かなくちゃいけない」のも地味にキツい。

しかも、今どきは入学してすぐ「クラスLINE作ったよ!入ってね!」みたいな流れがあって、
SNSの世界に不慣れな子はそれだけでプレッシャー。

表向きは「みんな仲良し風」を保たなきゃいけない…という、なかなか高度な世界です。

男子に多い“つまずきあるある”と親のサポート

中学に入ってからの男子は、女子と比べると精神的な成長がゆっくりな子も多く、見ていてちょっと頼りなく感じる場面が増えます。

「えっ、それ今日提出だったの!?」
「学校にワーク置いてきたってどういうこと!?」
毎日のように親がびっくりするようなことが起こるのも、この時期“あるある”です。

でもこれ、悪気があるわけじゃないんですよね。
実際、塾でも「課題出せてないけど、本人は“やったつもり”だった」ってケース、ほんとによくあるんです。

宿題の範囲がわからない・忘れ物が多い

中学では教科ごとにノートやプリントが増えて、管理も複雑に。
「どこに何を書いたか分からなくなる」「宿題が何だったか覚えてない」って子、多いんです。

親としては、「なんで確認しなかったの!?」って言いたくなるけど、
そもそも“確認する”という発想がまだ育ってない…そんな時期だったりします。

ちょっとしたチェックリストや、毎日の声かけだけでも変わってくるので、
「忘れる前提」でサポートしてあげるのがコツかもしれません。

態度で損する子、内申が取れない問題

さらに悩ましいのが、“態度”で評価されやすいこと。
授業中の姿勢や発言、提出物の丁寧さ…それって先生からの評価にめっちゃ響くんですよね。

でも男子はそこに気づくのが遅れがち。
「べつにサボってないのに…」「ふつうにやってただけなのに…」って、
なんで内申が低いのか納得できず、やる気を失ってしまう子も。

一緒にいる友達によって、本人の印象まで左右されてしまう…そんなちょっと話しづらい問題もあります。
できれば気にしたくない部分ですが、実際にはそういう“見られ方”があるのも事実なんですよね。

女子に多い“つまずきあるある”と親の寄り添い方

中1女子って、ほんとにいろんな意味で“揺れる時期”。
周りの目も、自分の気持ちも、SNSの世界も…とにかく情報と感情が多すぎて、処理が追いつかない。

親から見ると「なんでそんなに悩むの?」って思うようなことも、
本人にとっては“今日一日が台無しになる”くらいの重大ごとだったりするんです。

LINEトラブルと“グループの空気”問題

今の中学生女子にはほぼ必須となってるクラスLINEやグループLINE。
一見便利そうだけど、ここがトラブルの温床になってることも多いです。

  • LINEに入ったけど話題についていけない
  • 既読スルーしただけで「無視された」と言われる
  • スクショされて悪口のネタにされる

こんな話、実際によく耳にします。
うちの子も最初のうちは「見てるだけで疲れる」「話題に入るの怖い」って、すごく悩んでました。

でも、これってなかなか親にも言いづらいし、見えにくい部分なんですよね。
「何かあった?」と聞かれても、「別に…」って返ってきちゃう。
だからこそ、普段から“話しかけやすい空気”を作っておくのがすごく大事です。

初潮・体調のゆらぎと心の不安定さ

そして、この時期に訪れるもうひとつの大きな変化が“初潮”。
中1の途中で初めて生理がきた、という子も多い印象です。

心も体もまだ準備ができていないうちに、大人の体の変化が始まってしまう。
それだけでも大変なのに、学校生活や部活と重なると、
もうね、がんばるパワーがどんどん削られていく感じなんです。

私の子もそうでしたが、「なんかイライラする」「気分が落ちる」って言葉にならない不安定さが出てきて、
親のほうも「これって反抗期?生理?それとも学校のストレス?」と戸惑うばかり。

ちなみに…
「シンクロフィット」っていうナプキンと一緒に使える生理用品があるんですけど、
これ、最初の生理の不安がある時期にすごく安心感があるアイテムでおすすめです。
量が心配な子や、学校でのトラブルが不安な子にぴったりで、うちでもすごく助かりました。

勉強と部活、どっちもハード!中1の“共通のつまずき”

男子も女子も関係なく、ほとんどの中1が「勉強と部活の両立」に頭を抱えるこの時期。
正直言って、小学校の頃とはスピードも量もケタ違いです。
「え、こんなに宿題あるの?」「テストっていきなりあるの?」って、本人たちはもう目を白黒…。

親としても「これってうちの子だけ…?」と心配になるけれど、
実は“みんな戸惑ってる”のがこの時期のリアルなんです。

数学はマイナスでつまずく子、多数

中学最初の山場、それが「正負の数」!
“マイナス×マイナス=プラス”という謎ルールに、全国の中1が頭を抱えてます。

「マイナスって借金?」「0より下ってなに?」なんて、イメージがわかない子も多くて、
ここで苦手意識を持ってしまう子も少なくありません。

親としては、「え、そんなとこで?」って思いがちだけど、
ここはあえて一歩引いて、“理解するには時間がかかる”ことを前提に、
焦らせない・怒らないサポートが大事になってきます。

英語は単語が書けない、文法もチンプンカンプン

小学校で「英語は楽しい!」と感じていた子でも、
中学に入ると「いきなり単語テスト!」「文法ってなに!?」の連続で混乱しがちです。

特に“書けない問題”にぶつかる子が多く、
「英単語の小テスト、全然書けなかった…」というショックはなかなか大きいもの。

ここは、単語練習を一緒にやってあげたり、文法を簡単に解説してあげたり、
“今つまづいてるところ”を一緒に確認することがすごく効果的です。

▶定期テスト前の親の関わり方について、こちらの記事も参考にしてみてください

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国語も地味に難しい!文法や記述で悩む子も

国語って、なんとなく“できる・できない”が分かりにくい教科ですが、
実は中学から文法(品詞・活用形など)がガッツリ出てくるので、ここで「苦手かも…」と感じる子が増えます。

さらに記述問題も増えて、「自分の言葉で書く」ことに慣れてないとかなり苦戦します。

親が「読書しなさい!」と言うよりも、漢字のワークなどを一緒に進めてサポートするのが、意外と近道だったりします。

部活は“がんばりたいけどツラい”の代表格

新しい友達ができたり、やりたいことが見つかったり。
部活って本来は楽しい場所なんだけど、最初の時期は“体力も気力も持っていかれる”過酷さがあるんですよね。

朝練、放課後、帰宅後の宿題…家に帰ってきた頃にはクタクタ。
「今日はもう何もしたくない…」って言いたくなる気持ち、わかります。

この時期は、がんばる気持ちがあっても体がついていかない、
まさに“がんばりたいのに疲れてる”状態が続く時期。

親としては「部活のせいで勉強できてない!」と怒りたくなることもあるけれど、
そこをグッとこらえて「よくやってるね」って声かけるだけで、本人は救われます。

親にできる関わり方は“がんばらせる”じゃなく“受け止める”

子どもがやる気を出さないとき、「なんでちゃんとやらないの?」「このままでいいと思ってるの?」って言いたくなること、ありますよね。
私も、何度そう思ったか分かりません。

でも、中1って、やる気がないんじゃなくて、環境に慣れずただただ疲れてるだけのことが本当に多い。
頑張りたくても、体も心もついていかない時期なんです。

正論よりも、まず“話を聞くこと”

つい「早くやりなさい」「何やってるの」って言いたくなるけれど、
まずは「今日はどうだった?」「疲れてない?」の一言だけでも、心が開いてくれることがあります。

それで答えてくれなくてもいい。
“話せる雰囲気がある”っていうことが、実は一番大きな安心になるんです。

男子には“仕組みのサポート”、女子には“感情の受け止め”を

もちろん、性格による違いもあるけれど、
男子には「どうすれば忘れずにすむか?」という“仕組みづくり”の手助けが有効なことが多いです。
「一緒にToDoリスト作る?」とか、そういう感じで。

一方で女子には、「気持ちの整理」のサポートが必要な場面が増えてきます。
モヤモヤを言葉にできなくても、「つらかったんだね」と受け止めてもらえるだけで、心が少し落ち着いたりするんですよね。

もし「うちの子、家で勉強できないタイプかも…」と感じたら、塾をどう選ぶか?家庭学習とどうバランスを取るか?を考えてみるのも一つの方法です。
くわしくは、こちらの記事で詳しくまとめているので、あわせてどうぞ↓

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“親だって慣れてない”──自分のケアも忘れずに

子どもが中学生になって、新しい生活が始まったのは、実は親も同じです。
ママ友づきあいが変わったり、PTAや部活の保護者対応が増えたり、
「え、これまで以上に大変なんですけど!?」って思った方、きっと多いはず。

しかもこの時期って、ちょうど親自身も40代〜50代。
体調が安定しなかったり、仕事や家庭との両立でクタクタだったり…。

私も正直、「もう無理~~😇」って心の中でひっそり何度も叫んでました(笑)
それでもなんとかやれてたのは、
「子どもを支えるために、自分の時間や好きなことも大事にしよう」って気づけたからなんです。

だから今、声を大にして言いたい。

自分のことをと大事にしていいんです。

ちょっと手抜きごはんでも、洗濯物たたまず寝ちゃっても、
夜に“推しの動画で爆笑してストレス発散”でも、
それがあなたの元気のもとなら、どんどんやってください✨

親がご機嫌でいられることは、
子どもにとっても、家庭にとっても、すごく大事なエネルギーになるんです。

▶家事の時短テクニックはこちらの記事で!

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中1は“ゆらぎの時期”。親も子も、がんばりすぎなくていい

中学生活が始まってすぐのこの時期は、子どもにとっても、親にとっても“ゆらぎの時期”。

子どもは、学校生活の変化や人間関係、心と体の成長に振り回されて、
毎日をなんとかがんばって生きているようなもの。

そして親もまた、子どもの変化に戸惑い、
「どう関わったらいいんだろう」「これでいいのかな」と、不安を抱えながら手探りで進んでいます。

だからこそ、親ができるのは、“支えること”より“そばにいること”
そして、“ちゃんとしなきゃ”より“無理しない”を選ぶこと

子どもが学校でがんばっているなら、
親は家で「大丈夫だよ」「いつでも話してね」って言ってあげる場所でありたい。

それと同時に、親自身のことも大事にして、
手を抜けるところは抜いて、自分の心も満たしておくこと。

その“余裕”が、いつか子どもを救う大きな支えになります。

この記事が、「うちもそうだったな」「ちょっと肩の力が抜けたかも」って、
そんなふうに感じてもらえたら、うれしいです。

今日もがんばってるあなたに、そっとエールを送ります🌷

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ryoko221

家事・育児の効率化をテーマに、暮らしをラクにするアイデアを発信中。 主婦ライターとして教育・子育て分野でも執筆しており、実体験にもとづいたレビューが得意です。

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