中学生の家庭学習

塾に通っているのに成績が上がらない…
中学生の転塾を考える前に確認したいこと

なんか成績が上がらないなあ…
いま通ってる塾を変えたほうがいいの?

「塾に通っているのに、成績が全然上がらない…」
「このまま続けていいのか、それとも塾を変えるべきなのか…」

高校受験を控えた中学生の親なら、一度はこんな不安を抱えたことがあるのではないでしょうか。

実は、成績が上がらない原因は「塾だけ」にあるとは限りません。
塾側の問題もあれば、家庭・本人側の問題が大きく関わっていることも多いのです。

塾講師を10年経験し、現在も塾の現場で働く筆者が、現場の実態をもとに整理しました。

この記事でわかること

  • 塾に通っているのに成績が上がらない理由
  • 転塾を考える前に確認したいポイント
  • 塾を変えるべきかの判断基準
  • 次の塾を選ぶときに見るべき点塾に通っているのに成績が上がらない理由
家で勉強している中学生女子とそれを見守っている母親の様子

塾に通っているのに成績が上がらない理由

まず大前提として、「塾に入れれば成績が上がる」というのは誤解です。

塾はあくまで学習のきっかけやサポートを提供する場所。
最終的に成績を伸ばすのは、子ども本人の努力と家庭での学習習慣です。

塾側の構造的な問題

塾業界には、現場の教務よりも「入塾・継続」に力を入れざるを得ない構造的な問題があります。

生徒数を重視する塾では、一人ひとりの学習管理が薄くなりがちです。
営業活動にリソースが割かれる結果、教務の質が下がるケースも少なくありません。

こんな塾は要注意

  • 入塾を強く急かしてくる
  • 退塾しようとすると強く引き止める
  • 学習内容より手続きや契約の話が多い

ただし、これはあくまで一部のケースです。
すべての塾がそうというわけではありません。

塾の種類ごとの限界と裏事情

集団塾

集団塾は、ある程度自分で授業についていける子のほうが力を発揮しやすい形式です。

とくに学校の授業内容を大きく外さず理解できている子には合いやすい一方、苦手が多い子は置いていかれやすい面もあります。

内容が合わない場合は無駄が多くなります。

個別指導塾

苦手な子が来やすい形式ですが、その子のペースに合わせる分、進みが遅くなります。
週1回程度では勉強量が足りない場合がほとんど。

また、厳しく指導すると辞めてしまうリスクがあるため、宿題の量や難易度が調整されがちです。

結果として「通いやすさ」優先になり、学習の密度が薄くなることがあります。

▷塾のタイプ別の詳しい違いはこちらの記事をどうぞ

塾のタイプ別おすすめと注意点まとめ
【中学生の塾の選び方】
集団・個別・通信の違いとおすすめタイプを解説

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家庭・本人側の問題も見落とさない

「お金をかければ成績が上がる」は完全に別問題です。

塾に行っているだけで家では勉強していない、そもそもの勉強時間が圧倒的に足りない、というケースは非常に多いです。

現場でよく見る実態

  • 勉強しているふりをしている
  • 授業中も先生との雑談が中心になっている(これは講師も悪い)
  • 言われたことしかやらない
  • 「友達がいるから」「先生が楽しいから」が通う理由になっている

塾は強制力が弱く、厳しく言えば辞めるリスクがあります。
やらない子は一定数います。

また、友達と話す「居場所」として塾を使いがちな傾向もあります。

ただし「通えない塾は意味がない」ということも忘れないでください。
まず通うこと自体がハードルになる子もいます。

ある程度の妥協は必要で、完璧な塾より「続けられる塾」が大事なこともあります。

▷こちらの記事では、塾に通っていても成績が上がらない場合の親のサポートについて紹介しています

塾に通っても成績が上がらない中学生に、
親が家庭でできる7つのこと

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塾を変えるべきか:具体的な判断基準

塾で授業を受けている中学生たちの様子

ここが最も重要なパートです。

「塾を変えるべきか」を判断する前に、以下の4つの視点で冷静に確認してみてください。

① 成績で判断するのは早い。見るべきは「学習態度の変化」

親が最も気にするのが成績の推移ですが、正直なところ、数ヶ月で成績が上がらないのは普通です。
半年程度上がらなくても珍しくありません。

ただし、宿題に取り組めていて、通塾も安定していて、授業内容も理解しようとしているのに結果が出ない場合は、塾の方針やレベルが合っていない可能性もあります。

代わりに見てほしいのは、学習態度です

子どものここをチェック

  • 宿題をちゃんとやっているか(量・難易度も親が軽くチェック)
  • 時間通りに通えているか(遅刻が増えていないか)
  • 塾から帰ってきた後の様子(どんなことをやったか話せるか)

ただし、こんな場合は要注意

  • 半年経っても英語・数学が「3」にならない
  • 基礎的な内容が全く固まっていない感じがする

一方で、「3」が「4」になる、「4」が「5」になるかどうかは、塾よりも本人の学習時間の問題です。

そこを塾だけに求めても意味がありません。

② 「行きたくない」の理由をしっかり見極める

子どもが「塾に行きたくない」と言い出したとき、すぐに転塾を決めるのは早いこともあります。
大事なのは、「なぜ行きたくないのか」を分けて考えることです。

理由によって、対応はかなり変わります。

先生が嫌いな場合

まずは塾に相談してみましょう。
担当変更や座席の調整などで改善するケースもあります。

雰囲気や友人関係が合わない場合

この場合は、その教室自体が合っていない可能性があります。
無理に続けるより、転塾を検討したほうがよいこともあります。

厳しく言われた・宿題が多い場合

すぐに「この塾は合わない」と決めるのは早いかもしれません。
ただ単に、しんどいことから逃げたくなっているだけの可能性もあります。

まずは、宿題の量やレベルが本当に合っていないのかを冷静に見てみることが大切です。

そもそも勉強そのものが嫌いな場合

この場合は、塾の問題というより、本人の学習への意識や家庭での関わり方の問題が大きいかもしれません。
塾を変えても、同じことが繰り返される可能性があります。

子どもの話だけで決めず、塾側の話も聞いて判断することが大切です。

子どもが成績不振や通塾への不満を、塾のせいにしているだけというケースもあります。
逆に、塾側の対応に問題があることもあります。

どちらか一方の話だけを鵜呑みにせず、両方から話を聞いて公平に判断することが大事です。

③ 室長・教室長との相性(実体験より)

塾を変えるか迷ったとき、意外と見落とされがちなのが「教室長(塾長)との相性」です。
これは、保護者として実際に経験したことです。

何が起きたか

息子がテスト前の自習に行っていたときのことです。
休憩時間に友達と塾の近くの公園に行き、戻るのが少し遅れてしまいました。

そのとき教室長に「やる気がないなら帰れ」と言われてしまいました。

子どもの反応

息子は「時間は守ったし、ちゃんと勉強していた」と反発し、そのまま帰宅。
その後、教室長から謝罪の電話はありましたが、息子は「もうこの塾には行かない」と言い出しました。

その後どうなったか

実際には、ふざけていたのは一緒にいた友達の方で、息子はそこまで問題があったわけではありませんでした。
その友達はその後退塾しました。

その後、習熟度別クラスの関係で、隣の駅の教室に通うことになりました。
少し遠くなりましたが、そちらの教室長との相性が良く、息子は問題なく通い続けることができました。

結果と気づき

結果として、最後まで通い続けることができ、志望校にも合格しました。

塾では、「塾そのもの」よりも「人との相性」が大きく影響することがあります。

塾長や教室長は、直接授業をしなくても、面談・進路相談・学習方針の決定などに深く関わります。
そのため、相性が悪いと通い続けること自体が難しくなることもあります。

ここでの判断ポイント

教室長と合わない場合でも、すぐに転塾を決める必要はありません。

  • 担当変更ができないか
  • 別の教室に通えないか

同じ塾の中で解決できるケースもあります。

④ 内申・提出物の管理は家庭でも少し見る

内申や提出物を管理してくれる塾は理想的ですが、現実的にそこまで期待できないことも多いです。

塾に丸投げせず、家庭でも軽く確認する習慣をつけておくと安心です。

都立高校受験では内申点が大きく影響するため、この視点は特に重要です。

転塾先を選ぶときのポイント

「やっぱり転塾しよう」となったとき、次の塾選びで失敗しないために確認しておきたいポイントです。

営業の雰囲気をチェックする

  • 体験授業後に入塾を強引に急かしてこないか
  • 「退塾したい」と言ったときに引き止めがきつくないか(口コミなども参考に)
  • 学習内容より手続きや費用の話が先行しないか

費用の透明性を確認する

毎年、「費用が払えなくなった」という理由で退塾する家庭があります。
最初から無理な費用で入塾させる塾もゼロではありません。

  • 年間の総額(講習費・教材費・模試代含む)が明確か
  • 後から費用が増えるケースがないか
  • 講習・教材・模試は削れるか(個別指導塾は交渉できる場合あり)
  • 集団塾は費用が固定されていることが多いため注意

結局、いちばん大事なこと

家で勉強している男子中学生の様子

塾を変えても成績が上がらないケースは多いです。
問題の本質が「家庭での学習」にある場合、どこの塾に行っても状況は変わりません

成績が上がらないのは、塾だけの問題ではありません。
親の関わり方、学習習慣、家庭での環境づくりが土台になります。

そして、私が息子を見ていて一番実感したのは「通い続けられることが最優先」ということです。

息子は中学受験のとき塾を途中で辞めてしまった経験があります。
だからこそ、多少室長との相性が悪くても、友達がいて楽しく通える環境を優先しました。

その結果、志望校に合格できました。

合う塾は確かに存在します。
ただ、どの塾でも共通して必要なのは「家庭学習が土台にある」こと。

塾は補助であり、勉強をするのは子ども自身です。

一方で、「成績が上がらないから」という理由だけで、子どもが気に入っている塾をやめさせてしまうケースも見受けられます。

お金を出している親の気持ちはよくわかります。
でも、先生が好きで、友達がいて、楽しく通えている場所を一方的に奪うことには慎重になってほしいのです。

大事なのは、「塾で遊んでいるだけなのか、ちゃんと努力しているのか」を見極めること。

結果はそう簡単に出るものではなく、今の努力が1年後・3年後に実ることもあります。

塾に通わせてもらえることは当たり前ではない、ということは子どもにきちんと伝えた上で、子どもの気持ちも尊重してあげてください。

家庭でできることをやりながら、焦らず見守ることも、親にできる大切なサポートです。

▷ 成績が悪くても変われます。親の関わり方の実例はこちら

成績が悪い中学生
塾に行ってもダメな理由と
親が変えてうまくいった方法

続きを見る

その塾、本当に変えるべき?最終チェック

この記事で伝えたいことをまとめました。

この記事のまとめ

塾を変える前に確認すべき4つのポイント

  • 成績よりも学習態度の変化を見ているか
  • 「行きたくない理由」を冷静に整理できているか
  • 教室や担当講師変更など、転塾以外の選択肢を試したか
  • 家庭での学習習慣を見直したか

転塾先を選ぶときに見るべき4つのポイント

  • 営業が強すぎないか
  • 費用が明確か
  • 子どもが続けられそうか

塾選びは大切です。でも、それ以上に大切なのは家庭での学習環境です。

「どの塾でも共通する条件」として、家庭学習が土台にあること。

これが成績を伸ばすための、一番の近道です。

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ryoko221

都立高校受験を中心に、のべ300人以上を個別指導。 現在も大手学習塾に勤務し、家庭と教育の両面から“がんばりすぎない受験サポート”を発信中。 2人の子どもは偏差値60台の都立高校に合格。 家事・育児の効率化アイデアや、親がラクになる勉強サポート術をお届けしています。