
うちの子の1学期の成績、かなりヤバかった…
これじゃ高校に行けないんじゃない?
夏休み前になると、塾に「体験授業を受けたい」という問い合わせがぐっと増えます。
それだけ「このままで大丈夫かな?」と感じているご家庭が多いということ。
でも実際には、焦っているのは親のほうで、子ども本人はあまりピンときていないケースも少なくありません。
特に中3男子。
「部活が終わったから、そろそろ塾でも…」というタイミングで来る子は多く、正直“遅め”です。
今回は、塾講師として・母としての経験から、「うちの子やばいかも」と思ったとき、親が冷静に取れる行動をまとめました。

塾に駆け込んでくる中学生たちのリアル
夏前〜夏休みに塾に入ってくる中学生には、ある共通パターンがあります。
まったく勉強していなかった中3が、突然“受験”を意識しはじめて塾を探す
部活に全振りしていたタイプが多く、成績も低め。
親は焦っているけど、本人は

まあ、なんとかなるっしょ
というノリ。
今の塾が合っていないと感じて乗り換える中2〜中3
成績が上がらない、先生との相性が悪いなどの理由で塾を変える家庭。
中2の段階で動く子もいます。
1学期の成績が予想より悪くて驚いた中1の親
小学校の通知表とのギャップに戸惑い、「このままで大丈夫?」と相談に来るケースが目立ちます。

まさか中1で通知表に2がつくとは思わなかった…!
塾だけで解決する?“やばさ”の根本は家庭にある

ここで大切なのは、「塾に行けば何とかなる」という考え方は、万能ではないということです。
成績が4→5に上がるような子なら、塾に通うことで理解が深まり、模試の結果や偏差値にも変化が出る可能性があります。
でも、通知表に2や3が並び、家庭学習の習慣もまったくない子に対して、「塾でなんとかしてください」はかなり厳しい。

塾に行って安心したいのは親のほうかも…
また、「いまの塾で成績が上がらないから別の塾へ」という判断も、根本の生活習慣や考え方が変わっていないと、場所だけが変わっても同じことの繰り返しになります。
塾はあくまで“サポート”の場。
主役は家庭学習と本人の意識です。
夏休み、家庭でできることはここから始めよう
学校がない夏休みは、生活のペースを自分で作れる分、「習慣づくり」の絶好のチャンスです。
毎日何時間も勉強しなきゃ…と考えると苦しくなりますが、「家で机に向かう習慣をつける」という目的なら、小さな取り組みでも十分価値があります。
- 朝に5分だけ英単語
- 昼ごはんのあとに計算ドリル1ページ
- 夜に今日やったことをチェックする
どれも、やる気に左右されにくい“行動ベース”の勉強。
失敗しても、できなかった日があってもOK。
毎日続けることよりも、「家庭でもやる」という意識の土台を作ることが大事です。
学年ごとの復習ポイントはこちらの記事でくわしく紹介しています
親ができるサポート7選|焦らず今すぐできること
親としてできる具体的な行動は、特別なことではありません。
日常の中で無理なく取り入れられる工夫を、以下にまとめました。
親ができるサポート7つ
- 「間に合うよ」の一言を信じて伝える
どんな状況でも、「今からでも間に合うよ」と言ってくれる大人の存在が、子どもにとって大きな支えになります。 - 勉強時間を「量」より「習慣」で考える
「毎日2時間!」と決めるよりも、「毎日10分でもやる」方が続きやすく、習慣化の第一歩になります。 - 苦手科目より「前学年の穴」から手をつける
わからないまま進んできた部分があると、新しい単元にもつまずきやすいです。
中2なら中1の英語・数学の復習など。 - 毎日じゃなくてOK!“週〇回”の目標にする
「週に3回だけ」「土日だけ」でも大丈夫。生活リズムに合わせて無理のないスケジュールを親が一緒に考えてあげましょう。 - 「とにかく何かやってる」を認めて声をかける
内容よりも、まずは“動き出したこと”を評価する声かけがモチベーションにつながります。 - リビングに教材セットを常備しておく
教材・筆記用具を1か所にまとめて、すぐに取りかかれる環境を作るだけで“勉強へのハードル”がぐっと下がります。 - SNSやゲームとの折り合いを“交渉”する
頭ごなしに否定するのではなく、「1日〇分」「やること終わったらOK」などルールを“話し合って”決めるのがポイント。

始めるのに遅すぎることはないのよね
夏休みの過ごし方のポイントはこちらの記事に詳しく書いてあります
学年別・夏の家庭学習ポイント

中1・中2:基礎力を短時間でコツコツ
計算力と英単語力は、塾に通っていてもなかなか定着しづらい部分。家庭での反復がポイントです。
- 英単語はアプリ or 紙で毎日5語
- 計算はミスが減るまでくり返す
中3:高校見学と受験意識のセットづけ
「夏休みに高校見学へ行く→受験を意識する→勉強する理由ができる」
この流れを作れると、グッと前向きになります。
内申やV模擬も意識しはじめる時期なので、家庭学習の“意義”を親が伝えてあげるのも効果的です。
高校見学についてはこちらの記事に詳しく書いてあります
まとめ|焦りは行動のきっかけに変えられる
「うちの子、やばいかも…」
そう思った瞬間は、ネガティブな感情でいっぱいになるかもしれません。
でも、それは“気づけたからこそ”動けるチャンスでもあります。
塾に入るのもいい。教材を買うのもいい。
何より、「家庭でできることからやってみる」ことが、これからの受験や高校生活につながっていきます。
教材の選び方はこちらも参考に
焦らず、でも止まらず。
できることから、親子で始めてみましょう。