
そろそろ塾を考えようと思ってるんだけど、どんな塾がうちの子に合うのかわからない…
「中学生の塾って、どれを選べばいいの?」
集団・個別・通信、どれがうちの子に合うのか悩む親御さんはとても多いです。
私自身、塾講師として10年以上中学生を指導してきた経験と、
2人の子どもの塾選びに悩んだ親としての視点から、
タイプ別の違いや選び方のポイントをまとめました。
特に、公立中→都立高校を目指すご家庭には参考になると思います!

【塾の種類まとめ】中学生向けの指導タイプ一覧
まずは、塾の主なタイプを整理しておきましょう。
現在主流となっているのは、大きく分けて以下の4つです。
集団指導塾
学校の授業のようなスタイルで、1人の先生が複数の生徒に対して同時に授業を行います。
カリキュラムに沿って進むため、学校と同じようなペースで学びやすい反面、「ついていける学力」が求められます。
個別指導塾
1人の講師に対して生徒が1〜2人など、少人数での授業スタイル。
生徒の理解度に合わせて指導内容を調整できるのが特徴です。
通信学習・自宅学習サポート
Z会やスタディサプリのような、家庭で取り組む教材や動画講座。
自宅で自由な時間に学習できるため、習い事との両立がしやすいのが特徴です。
家庭教師(参考程度)
家庭教師は昔ながらのマンツーマン指導スタイルで、子どもの学力やペースに合わせてじっくり教えてもらえるのが特徴です。
※私が家庭教師をしていたのは30年ほど前で、わが家の子どもたちは利用していないため、ここでの内容はあくまで参考程度にご覧ください。
【個別指導のリアル】成績が上がる子・上がらない子の違い
個別指導塾って、「その子に合わせて教えてくれるから良さそう!」って思う方、多いと思います。
確かに、学校の授業についていけない子や、集団が苦手な子にとっては、ありがたい存在。
でも実際は、ちょっと注意も必要です。
私は10年以上、個別指導塾で働いてきたのですが、よくあるのが「学校の成績が1とか2だから個別で面倒を見てもらおう」というケース。
でもこれ、正直なところ……
というのも、成績が低いお子さんは、今の授業内容以前に、前の学年や単元でつまずいていることが多いんです。
そこを丁寧に復習しないと、土台がグラグラのまま。
だけど復習に時間がかかるぶん、今の学校の内容にはなかなか手が回らない。
つまり、直近のテストで結果を出すのが難しいんですね。
結果が出るまで半年以上かかることも。
なので、「塾に通ってるのに成績が上がらないじゃない!」ってなってしまう。
ここが、個別指導の落とし穴だったりします(集団でも同じことは言えますが…)
とはいえ、すぐに定期テストや通知表の成績が上がらなくても、焦らずに見守ることがとても大切。
塾や本人を責めたくなる気持ちもあるかもしれませんが、まずはじっと「土台づくりの時間」だと思って待ってみてほしいです。
ただ、「なるべく早く結果を出したい」「せめて通知表を3ぐらいにはしたい」という場合は、
以下のような方法もあります。
- 1教科につき週3回以上通う
- 夏期や春期などの長期講習で一気に遅れを取り戻す
ただし、どちらも費用や通塾の負担はかなり大きくなるのが正直なところです。
そしてもうひとつ大事なのが、「本人のやる気」。
やる気がないまま通わせても、お金だけが減っていきます!
授業中にボーッとしていたり、宿題をやってこなかったりすると、どんなにたくさん通っても、なかなか伸びない…。
個別指導は、マンツーマンだからこそ優しい先生が多く「のんびりペース」になりがち。
ライバルがいないので、いい意味でも悪い意味でも“比べられない環境”。
だからこそ、自分でやる気を出して勉強に向かえる子じゃないと、思ったような効果が出にくい部分があります。
もちろん、ペースを合わせてくれる分、本人のやる気がある子にはとても合っています!
ただ、個別に通わせれば安心!というわけではないので、「何を目標に通わせるのか」を本人も親もしっかり考えるのが大切だと思います。
【集団塾の特徴】通わせて感じたメリットと注意点

息子は、集団指導塾に通っていました。
通わせてみて思ったのは、集団塾に向く子と向かない子がけっこうはっきり分かれる、ということ。
まず、集団塾は学校と同じように、先生が一斉に授業をするスタイル。
なので、基本的に「先生の話を聞いて理解できるタイプ」の子に向いています。
学校の授業がある程度わかっている子なら、スムーズに入っていけると思います。
でも逆に、学校の授業があまり理解できていない子にとっては、正直ハードルが高いです。
集団だからこそ、授業の進度が早くてついていけなかったり、質問がしづらかったり…。
あと、曜日と時間が決まっているので、クラブチームや習い事との調整が難しいという声もよく聞きます。
それから、これは実際に通わせてみてわかったことなのですが、
成績別にクラス分けされる塾は要チェック!
上位クラスにはベテランの人気講師が担当することが多くて、授業も引き締まってるんです。
でも下位クラスは、まだ新人の先生だったり、クラスの雰囲気もゆる〜いことがあったりして…「同じ塾でも、こんなに違うの!?」と思ったこともあります。
逆に、クラス分けがなくて全員同じクラスという場合は、ある程度上の子に合わせた授業になることが多くて、そうすると成績が低めの子はついていくのが大変かも。
なので、集団塾を検討するなら、
- どんな先生がどのクラスを担当しているか
- クラス分けの有無や基準
- 授業の雰囲気
こういったことを、体験授業や入塾前の面談でしっかり確認しておくのが大事です。
それと、集団塾は「まわりと比べられる」のが苦手な子には、少しプレッシャーになることも。
でも反対に、それがいい刺激になって頑張れる子もいるので、性格にもよりますね。
こちらの記事も参考に
次の章では、「じゃあ結局、どうやって“うちの子に合う塾”を選べばいいの?」という疑問にお答えしていきます!
【塾選びのコツ】中学生のタイプ別おすすめ塾の選び方

ここまで読んで、「結局、どれがうちの子に合うんだろう?」って思われた方も多いかもしれません。
塾の種類や特徴はなんとなく分かったけど、いざ選ぶとなると迷いますよね。
私自身も、子どもの塾を選ぶときはすごく悩みました。
そこで、私なりに感じた「塾選びでチェックしたいポイント」を、まとめておきます。
子どものタイプや目的を考える
まずは、「何のために塾に行かせたいのか」を明確にすることが大切です。
- 定期テストの点数を上げたい?
- 都立高校受験の対策?
- 学校の授業のフォロー?
目的によって、選ぶ塾は大きく変わってきます。
さらに、子どもの性格も大事なポイント。
- まわりと競うのが好き → 集団が向いているかも
- 自分のペースで進めたい → 個別や通信が合う可能性大
- 家では集中できない → 自習室のある塾もおすすめ
「この子は、どんな環境だと前向きに取り組めるか?」を一緒に考えてみてください。
通いやすさも意外と重要!
これ、けっこう見落としがちなんですが、「通いやすさ」って、実はとても大事なんです。
近い・時間が合う・友達がいる——このあたりがうまく揃っていると、子どもも塾に通いやすくなります。
うちの息子も、最初は「ちょっと遠いけど評判のいい塾」に通ってたんですが、だんだん足が重くなってきて…。
結局、近くて友達も通ってる塾に変えたら、毎週ちゃんと通うようになったんですよね。
塾に通ってくれないと、どんなにいい授業でも意味がないので、「無理なく通えるか」はぜひチェックしてみてください!
体験授業&面談で「雰囲気」を見る
パンフレットやHPでは分からないのが、塾の“空気感”。
- 先生がどんな感じか
- クラスの雰囲気は合いそうか
- 質問しやすい環境かどうか
こういうのは、実際に体験してみないと分かりません。
体験授業は1回でもOKなので、気になる塾があったらぜひ申し込んでみてください。
先生との相性や、子どもの反応を見るだけでもヒントになりますよ。
【家庭学習の役割】塾だけじゃ足りない理由とは?
ここまで塾の話をしてきましたが、実はどんな塾に通っていても「家庭学習の習慣」がないと、なかなか成績は上がりません。
これは塾講師として働いていたときも、本当に痛感していたことです。
週に何回か塾に来てくれる子でも、家で全く勉強していなければ、正直なところ伸びづらいんです。
だからこそ、小学生のうちから少しずつ「机に向かう習慣」をつけておくのがとても大事だと感じています。
リビング学習、実はおすすめ!
小学生~中学生のうちは、子ども部屋にこもって勉強させるよりも、リビングで勉強させる方がスムーズに進むことが多いです。
親の目が届きやすいですし、子どもにとっても「誰かがそばにいる安心感」があるので、勉強に対するハードルが下がるんですよね。
家事をしながら「今どこやってるの?」「ここできたね!」と軽く声をかけるだけでも、子どもにとってはすごく励みになります。
リビング学習についてはこちらの記事でまとめてあります
通信学習や映像授業も“ながら見”にならないように
Z会やスタディサプリなど、通信系の教材を使うご家庭も多いと思います。
これもすごく良いツールなのですが、ひとつ注意したいのが「ちゃんと見てるかどうか」。
動画を流しているだけで実は頭に入っていない…なんてこともあるので、最初のうちは親が一緒に見たり、終わったあとに軽く内容を聞いてみたりするのがおすすめです。
「ちゃんと見てないでしょ!」と怒るのではなく、「へ〜それ、どんな内容だったの?」と会話する感じでOKです◎
最後は“自分でやる力”を育てたい
塾でも家でも、最終的には「自分で考えて取り組める力」を育てることが目標です。
いきなり完璧を目指さなくても大丈夫。
少しずつ、「今日はこれをやる」「やり終えたらチェックする」など、小さな習慣を積み重ねていくことで、子ども自身も「勉強ってやればできるかも」と思えるようになります。
【塾+家庭で伸ばす】親ができる受験サポートの工夫
「塾に通わせてるし、あとは先生にお任せでOK!」と完全に任せきりにしてしまうと、思ったような成果が出ないことも。
特に中学生くらいになると、勉強へのモチベーションや塾での様子は、子ども自身に任せがち。
でも、実はちょっとした親のサポートが大きな支えになることもあるんです。
宿題や持ち物チェックは「さりげなく」
中学生にもなると「口うるさく言われたくない!」という気持ちも強くなってきますよね。
だからこそ、勉強や塾の準備を「手伝う」のではなく、「そっと声をかける」スタンスがおすすめです。
たとえば、
- 「今日の塾、プリントいるんだったよね?」
- 「この前の宿題、もう終わった?」
など、“あくまで確認だけ”という感じで関わると、子どもも反発しにくいです。
提出物が出せないお子さん向けの記事はこちら
塾の内容に興味を持つ=応援してるよのサイン
「今日の塾どうだった?」という質問、つい口ぐせのように聞いちゃうこともあると思いますが、少し聞き方を変えてみるのもおすすめです。
- 「今はどんな単元やってるの?」
- 「あ、その先生って面白いって言ってた人?」
こうやって、“ただの会話”の中で塾のことを聞くようにすると、子どもも気負わずに話してくれることが増えていきます。
「応援してるよ」っていう気持ちが、ちゃんと伝わると、子どもは意外と頑張れるものです◎
無理をしない、でも“味方でいる”ことが一番のサポート
親だって、仕事や家事や毎日のことに追われてヘトヘト。
全部を完璧にサポートするなんて無理ですよね。
でも、だからこそ「困ったときに頼れる存在」でいることがいちばん大事だと思っています。
- 「なんかうまくいかないな…」っていうときに、話を聞いてくれる人
- 「もうちょっと頑張ってみようかな」って背中を押してくれる人
それが、親である私たちであれたら、子どもにとってはすごく心強いことだと思います。
塾選びは「子どもに合うかどうか」がいちばん大事
塾って「成績を上げるための場所」というイメージが強いですが、本当に大事なのは「子どもが前向きに通えるかどうか」だと私は思っています。
塾のタイプや先生の教え方、通いやすさや友達との相性——いろんな要素が関係してきますが、最終的には「子どもにとって心地よいかどうか」が続けるうえでとても大きなポイントになります。
そして、どんな塾でも、塾に“通わせるだけ”ではなかなか成果が出ません。
家庭でのサポートや声かけ、そして毎日の学習習慣づくりが、実は一番の土台なんですよね。
定期テスト前のこんなサポートの仕方も参考にしてみてください
今この時期は、子どもと一緒に悩みながら進んでいける、貴重な時間でもあります。
「塾を選ぶ」ことがゴールではなく、「その塾でどう過ごしていくか」を親子で話し合いながら、前向きなステップにつなげていけたら素敵ですね。
この記事が、塾選びに悩むご家庭のヒントになればうれしいです!