中3の受験が近づいてくると、子どもよりも親のほうが落ち着かなくなってくることがあります。
私自身、塾で長く受験生を見てきましたが、
親になって初めて、家庭の中で受験期を過ごす大変さを実感しました。
子どもの不安や焦りを受け止めながら、親自身の不安とも向き合う日々は、思った以上に消耗します。
受験直前期になると、
「何をしてあげればいいんだろう」
「これはやらないほうがいいのかな」
そんなふうに、あれこれ考えてしまうことも多いですよね。
ただ正直なところ、受験が終わってみても、何が正解だったのかははっきりわかりません。
この記事では、受験直前期に「やってよかった」「やらなくてよかった」と感じたことを、
結果論ではなく、親としてどんな姿勢でいたかという視点から整理していきます。
いま不安のまっただ中にいる方も、
少し肩の力を抜きながら読んでもらえたらうれしいです。
▷受験直前期の親の不安は、決して特別なものではありません。
その理由や背景については、こちらの記事で整理しています。
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中3の冬に親が不安になるのはなぜ?
知っておきたい受験の現実続きを見る

受験直前期に、親がいちばん意識していた「姿勢」
受験直前期、「何をしてあげればいいのか」と同じくらい悩むのが、
どこまで関わるべきなのかという問題です。
私自身、塾でも家庭でも、一貫して意識していたのは、
特別なことをしないこと、プレッシャーをかけすぎないことでした。
「何かしてあげなきゃ」と動くより、「余計なことをしない」判断のほうが、ずっと難しいと感じていました。
「期待をかけすぎない」ことを意識していた
受験が近づくと、親の中にどうしても期待が生まれます。
「ここまで頑張ったんだから大丈夫だよね」
「この学校なら受かるよね」
「正直、落ちたら困るな…」
私は、こうした言葉を子どもに向けて言わないように意識していました。
親の期待は、想像以上に子どもの重荷になるからです。
結果を条件に、態度や言葉を変えない。
合否によって、評価を変えない。
その距離感を保つことが、受験期の親にとって、とても大切だと感じています。
親の希望を前に出しすぎない
塾で見ていても、親の希望が強く前に出ているケースは、
うまくいかないことが多い印象があります。
もちろん、親が意見を持つこと自体は悪いことではありません。
現実的な条件や家庭の事情を考えると、話し合いが必要な場面もあります。
ただ、
「この学校に行ってほしい」
「ここしかないと思う」
という親の思いが強くなりすぎると、
本人の気持ちや実力とのズレが大きくなってしまうこともあります。
主役はあくまで子ども。
親の役割は、方向を決めることではなく、
現実を整理しながら、一緒に考えることだと思っています。
都立入試は「最後まで結果がわからない」

受験直前期になると、
「ここまで来たら、あとは結果を待つだけ」
そう思いたい気持ちと同時に、
「でも本当に大丈夫なのかな…」という不安が何度も湧いてきますよね。
特に都立高校の一般入試は、最後まで結果が読みにくい入試です。
努力=結果、とは限らない世界
塾でも家庭でも感じていたのは、
どれだけ努力しても、結果がそのまま返ってくるとは限らないという現実です。
もちろん、コツコツやってきた子が強いのは事実ですし、
何もせずに合格する、なんてことはありません。
でも、都立一般入試は、
同じような学力層の子が、狭い範囲にぎゅっと集まります。
- 当日の問題との相性
- ちょっとした体調や集中力
- マークミスや計算ミス
こうした小さな要素が、合否を分けてしまうことも珍しくありません。
模試やVもぎは「目安」でしかない
Vもぎなどの模試は、志望校との距離感を知るための大切な材料です。
実際、多くの場合は、模試の判定どおりの結果になることも多いです。
でもそれはあくまで「傾向」であって、合否を決めるものではありません。
最後の1月の模試で思うような結果が出ず、親のほうが大きく落ち込んでしまうケースもあります。
そんなときこそ、
「模試は模試、本番は本番」
と、線を引いて考えられるといいのかなと思います。
模試の結果を見て、子どもの努力や姿勢まで否定しないこと。
これは、親が意識したいポイントのひとつです。
▷模試の判定に振り回されそうになったときは、C判定の位置づけや考え方をこちらで詳しく整理しています。
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【都立】VもぎC判定は厳しい?
出願前に迷わない現実ラインと親のサポート続きを見る
直前期に「やらないほうがよかった」と感じたこと
受験直前期、親として何かしてあげたい気持ちが強くなるほど、
ついやってしまいがちなこともあります。
でも振り返ってみると、あえてやらなかったことが、結果的によかったと感じる場面も多くありました。
直前にプレッシャーをかける声かけ
「あと少しなんだから頑張って」
「ここまで来たんだから後悔しないように」
一見、励ましのように聞こえる言葉でも、
受験直前の子どもには、プレッシャーとして重くのしかかることがあります。
子ども自身がいちばん、
「失敗したくない」
「結果を出さなきゃいけない」
と感じている時期だからです。
だから私は、
新しいことを求める声かけや、
気合を入れ直させるような言葉は、なるべく控えていました。
「何か足りないのでは」と感じるのは、たいてい親の不安であって、子どもの課題とは限りません。
新しいことを増やす・変える
直前期に、
「これもやったほうがいいかも」
「今からでも間に合う教材があるかも」
と、不安になって探してしまうこともあります。
でもこの時期は、新しいことに手を出すより、
今までやってきたことを淡々と続けるほうが、
精神的にも安定しやすいと感じていました。
塾でも、最後までやるべきことを変えず、
淡々と取り組んでいた子のほうが、結果につながることが多かったです。
親がやってよかったと感じたこと

一方で、「これはやっておいてよかったな」と思えることも、いくつかあります。
勉強以外の段取りを整える
勉強そのものは、子どもが主役。
でもその周辺の段取りは、親が支えられる部分です。
- 試験当日のスケジュール確認
- 持ち物の準備
- 交通経路の確認
こうしたことを親が先回りして整えておくことで、子どもは「目の前のこと」に集中しやすくなります。
特に当日の朝は、できるだけ余計な不安を増やさないことが大切です。
送迎はできるなら検討しておく
これは家庭の事情にもよりますが、都立入試当日、可能であれば学校まで送ってあげられると安心です。
慣れない電車、時間に追われる朝。
それだけで、思っている以上に消耗します。
2026年の都立一般入試は土曜日なので、平日ほどのラッシュはありませんが、推薦入試は平日のため、余裕があれば検討しておくとよいかもしれません。
あくまで「できる範囲で」で大丈夫です。
1日のシミュレーションをしておく
これは、特にやっておいてよかったと感じたことのひとつです。
試験当日と同じ時間に起きて、同じ流れで朝食をとり、試験時間に合わせて過去問を解いてみる。
お昼も、当日を想定した内容・時間で食べてみる。
Vもぎは昼食なし・時間割も異なるため、本番の感覚とは少し違います。
一度でもシミュレーションしておくと、「当日のイメージ」が具体的になり、不安が和らぐ子も多いです。
▷試験当日のシミュレーションや、直前期の過ごし方については、こちらの冬休みの勉強計画の記事でもまとめています。
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中3の冬休み勉強法
都立高校入試に向けた“落とさない”勉強と
教科別ポイント続きを見る
不合格に直面したとき、親ができること
受験期には、どうしても「うまくいかなかった結果」と向き合う場面が出てきます。
私立一般入試、都立推薦入試。
どちらも、不合格になることは決して珍しくありません。
頭ではわかっていても、実際に結果を目にしたときのショックは大きいですよね。
原因探しをしすぎない
不合格になると、
「何が悪かったんだろう」
「もっとできたことがあったんじゃないか」
と、原因を探したくなります。
でも正直なところ、特に推薦入試は、明確な理由がわからないことのほうが多いです。
もちろん、振り返りが無意味というわけではありません。
ただ、入試がまだ残っている段階で、過度に原因を掘り下げることは、あまり意味を持ちません。
大切なのは、「次に進むために、今どうするか」。
親ができるのは、結果を受け止めて、これ以上気持ちを消耗させない空気をつくることだと思います。
子どもの反応は、想像以上にさまざま
不合格のあと、すぐに泣き出す子もいれば、意外なほど落ち着いている子もいます。
中には、何事もなかったように振る舞う子もいます。
それは決して、「何も感じていない」ということではありません。
気持ちの整理の仕方は、本当に人それぞれです。
だからこそ、親のほうが先回りして、「かわいそう」「つらいよね」と決めつけすぎないことも、大切だと感じています。
受験はゴールではない

どれだけ準備をしても、どれだけ努力しても、入試の結果は、最後までわかりません。
だからこそ、結果が出たあとに、「この道でよかった」と思えるかどうかが大切なのだと思います。
受験はゴールではなく、通過点。
どんな結果であっても、その先で続く生活があり、新しい環境があります。
親の役割は、合格させることではなく、子どもが前に進める環境を整えること。
中3の冬に親が不安になるのは、それだけ子育てに真剣に向き合ってきた証拠です。
できることを、できる範囲でやれば大丈夫。
あとは、子どもを信じて、結果を受け止める。
それだけで、十分だと思います。
▷冬休み〜1月にかけて、受験直前期の準備を進めてきたあと、都立一般入試の本番直前に親が意識したいことについては、
こちらの記事でまとめています。
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