
うちの子、帰ってきたらグダグダしてて全然勉強しない…これでいいのかな?
「こんなに勉強のやる気がなくて、ちゃんと高校に行けるの?」
「宿題があってもゲームやスマホを見てばっかり…」
そんなふうに不安を感じているご家庭、多いのではないでしょうか。
実は、勉強する・しないの差は、「やる気」だけの問題ではありません。
大切なのは、毎日の生活の中に“勉強に向かう流れ”が自然と組み込まれているかどうかです。
私は塾講師として10年以上中学生を見てきましたが、家でしっかり学習できている子には、ある共通点がありました。
それは、生活習慣が安定していること。
といっても「毎日決まった時間通りに!」なんて難しいことはできませんよね。
ご飯・お風呂・寝る時間が「だいたい」決まっていて、
その中に無理なく勉強に向かえるタイミングがある、それだけで十分です。
実際、わが家も毎日うまくいっていたわけではありません。
それでも、ある程度の流れを決めていたことで、子どもたちも自然と勉強に取りかかりやすくなっていました。
今回は、そんな“無理なく続ける家庭学習の仕組み”を、実際のスケジュール例とともにご紹介します。

中学生の勉強時間はどれくらい必要?【理想と現実】
まず気になるのが「いったい1日どのくらい勉強すればいいの?」という疑問。
理想を言えば…平日も休日もそれぞれしっかり1〜2時間、テスト前には3〜4時間やってほしい!
でも、実際の中学生の生活ってほんっっとうに忙しいですよね。
- 部活がある日は帰宅が18:30頃
- 夕食・お風呂・宿題を終えるだけであっという間に21時
- 塾に行っていれば、帰宅は22時以降
そんな中で、「毎日3時間勉強しよう!」なんてなかなか難しい。
でも大丈夫。大事なのは“毎日コツコツやる仕組み”を作ること。
いきなり長距離を走るのは難しくても、毎日1kmずつ走っていれば、いずれ10kmも走れるようになる。
勉強も同じです。
勉強が続く家庭の共通点は「生活習慣」にあった!

自宅学習がうまくいく家庭とそうでない家庭、その違いは“勉強そのもの”よりも“生活の流れ”にあります。
生活リズムを安定させる
- 「帰宅 → お風呂 → 夕食 → 勉強 → 就寝」の流れができている
- スマホの使用時間にルールがある
- 毎日、勉強に向かう“タイミング”がだいたい決まっている
- 子ども自身がやるべきことを把握している(学校の宿題・検定の勉強・テスト対策など)
これだけで、家庭学習の安定感はぐんと変わってきます。
家のスケジュールを整えるには、親の朝の動きもポイント
家庭学習スケジュール例【平日・部活がある日】
部活がある日は帰宅が遅く、夕食やお風呂であっという間に夜の時間が過ぎてしまいます。
そんな中でも無理なく勉強の時間を確保するには、「夕方から寝るまでの流れ」をざっくり決めておくのがポイントです。
以下は、わが家で実践していたある日のスケジュール例です。
もちろんこれは一例なので、お子さんの活動や家庭の状況に合わせて調整してみてくださいね。

家庭学習スケジュール例【平日・塾がある日】
塾がある日は帰宅も遅くなり、勉強時間を確保するのはさらに大変。
この日は無理に家庭学習を詰め込まず、塾で学んだことを「その日のうちに終わらせた」という達成感を大事にする日として割り切るのも一つの方法です。
こちらは、塾がある日を想定したスケジュール例です。
塾の時間帯やお子さんの疲れ具合に応じて、必要に応じて調整してみてください。

テスト直前はまた別のスケジュールが必要になります
家庭学習が続く仕組みづくり|親ができる5つのコツ
「どうしたら家でちゃんと勉強してくれるの?」
そんな悩み、きっと多くのご家庭が感じていると思います。
でも実は、“気合い”や“厳しさ”よりも、“仕組み”のほうが何倍も効果的。
家庭学習が自然と続くようになるには、子どもが「やってみようかな」と思える環境と流れを整えてあげることが何より大切です。
ここでは、私が実際に子どもたちと関わる中で感じた、家庭でできる“続ける仕組み”のコツを5つご紹介します。
① 勉強場所は“自由”でOK!やりやすい環境を整えて
リビングでも自室でも、本人が落ち着けて集中しやすい場所ならどこでも大丈夫。
大切なのは「どこででも勉強に取りかかれる環境を用意しておく」こと。
- どの部屋でもノートやワークを広げられるスペースを空けておく
- 筆記用具をいくつか準備しておいて、いちいち探さなくてもいいようにする
「机にまっすぐ座って、静かに勉強しなきゃいけない」なんてことはありません。
寝そべっててもいいし、立っててもいい。本人が学べていれば、それが“正解”です。
② 子どもの“スイッチ”を一緒に探す
勉強に入りやすいきっかけ(=スイッチ)は、本当に子どもによって違います。
- 座る場所を決めると集中できる
- ノートを開くとスイッチが入る
- とにかく“好きな教科”から始めると気持ちが乗る
- 逆に“嫌いな教科”から片づけてスッキリしたい子も
中には「まず宿題を終わらせないと落ち着かない」というタイプもいますし、
「とりあえず漢字だけやる」「英単語だけ書く」など、“ちょっと始める”ことで動き出せる子も。
親が一緒に探って、「うちはこうするとやりやすいね!」と気づいてあげられると、習慣化がスムーズになります。
③ くつろぎ時間も肯定して、ルールは親子で決める
子どもがリビングでのんびりしていると、「いつになったら勉強するの?」と言いたくなる気持ち、すごくわかります。
でも、ルールさえ守っているなら、自由時間も大事にしてOK。
たとえば「スマホは22時まで」と決めたら、それまではとやかく言わない。
その“自由とルールのバランス”が、親子関係を壊さずに学習習慣を作るコツです。
親が「リビングでくつろぐ=サボってる」と決めつけると、子どもは安心して過ごせる場所がなくなり、自室にこもるようになってしまうことも。
まずは「見守る姿勢」が、信頼感を育てます。
④ 要領よくやることを教えてあげる
真面目な子ほど、
- わからない問題に何十分も悩む
- 1ページを1時間かけてしまう
- 細かい部分にこだわりすぎて前に進まない
…ということがよくあります。
今の時代は、「まず終わらせる」→「あとで見直す」という流れがとても大事。
特に時間が限られる中学生には、“完璧を目指しすぎないこと”も実力のひとつです。
親が「そこは飛ばしていいよ」「今は答え見て大丈夫」と声をかけてあげるだけでも、
子どもの気持ちはぐっとラクになります。
⑤ 立ち止まらず、調べたり聞いたりできる力を育てる
「この問題、全然わかんない…」と止まってしまうと、気持ちも一気に落ち込みますよね。
でもそれ、今の自力では“わからなくて当然”なだけかもしれません。
そんなときは、
- 答えを見る
- 印をつけてあとで聞く
- 調べて自分で解決する
…など、“止まらずに進む手段”を持っておくことが大事です。
「今考えてもわからないなら、今じゃなくていいよ」
そう言ってあげられるのが、家庭学習を支える親の一番の役割かもしれません。
提出物が出せない子おすすめの記事はこちら
教材は“完璧”より“やる気と相性”で選ぼう

「市販の問題集、何を買ったらいいか分からない…」
そんなふうに悩んでいる親御さんも多いと思います。
でも実は、「内容が良い教材」よりも「本人がやる気になる教材」のほうが圧倒的に効果があります。
どんなに有名な参考書でも、開かなければ意味がありません。
逆に、少しレベルが低くても「これならやれる」と思える教材の方が、確実に力になります。
ここでは、家庭学習をサポートする教材選びのポイントを6つご紹介します!
学校の課題が最優先!
市販教材を使う前に、まず優先すべきなのは学校のワークやノート、宿題。
これらは提出状況がそのまま通知表の評価に直結することも多く、やっていないと評価が下がる可能性もあります。
また、学校で使っている教材は教科書に沿った“教科書準拠”の内容なので、定期テストにも出やすく、基礎力をつけるのに最適です。
市販教材はあくまで補助的なもの。
まずは学校の課題をきちんとこなしたうえで、必要に応じて活用するのがおすすめです。
やる気が出る教材が最強!本人が“これならできそう”と思えるものを
教材を選ぶときは、「親がいいと思うもの」ではなく、「本人がやってみたい」と思えるかどうかが重要です。
- 本人にとって、やりやすく見やすいレイアウト
- 1日10分、1回○ページなどの具体的な進め方が載っている
- やさしめの問題から徐々にステップアップする構成
…など、「とっつきやすさ」を重視しましょう。
実際に中身を見せて、「これならできそう?」と一言聞いてみるだけでも、やる気の出方が変わります。
難しすぎない!“自力で解けるレベル”から始めよう
「これ、難しすぎて自分じゃ無理…」と思ってしまった瞬間、子どもはその教材を開かなくなります。
おすすめは、理解度8割くらいのもの。
多少わからない問題があっても、「がんばれば自分で解ける」と感じられるものが◎。
もし今の学年の内容が厳しければ、前の学年に戻ってもOK!
できるところからスタートして、「わかる」→「できる」→「おもしろい」の流れをつくってあげましょう。
すべてやらなくていい!“使い方”で工夫しよう
教材って、買うとつい「全部やらせなきゃ」と思ってしまいがち。
でもそれは子どもにとってはプレッシャーにもなります。
- まずは各単元の基礎問題だけやる
- 時間がないときは1日1ページだけにする
- 「できるところだけやる」でOK
“使い切る”より“使い倒す”くらいの感覚で十分!
本人が「これなら続けられる」と感じる進め方で、無理なく学習習慣をつけていきましょう。
プリント学習は取り組みやすく、効果的!
「問題集を1冊やりきるのが苦手」「何ページもあるとやる気が失せる」
そんな子には、1枚で完結する“プリント学習”がぴったり。
- 教科書準拠の無料プリントをネットから印刷
- 問題集のページをコピーして書き込み用に使う
- テスト対策の小テストを親が作ってもOK
1枚終わるたびに達成感が得られるのも、プリント学習のメリットです。
プリンターがあると家庭学習がはかどる!
プリント学習やワークのコピーを活用するなら、家庭用プリンター&コピー機があると本当に便利。
- ワークをコピーしてテスト前に繰り返し使える
- ネットで見つけた問題をすぐ印刷できる
- 小テストや英単語テストもサクッと作れる
カラー印刷にこだわらないなら、レーザープリンターが圧倒的に便利!
最近のレーザープリンターはコンパクトで低価格です。
“勉強環境のインフラ”として、1台あると大きな助けになりますよ。

我が家で使っているのはこの複合機です
◆まとめ|「できる時間で、できる方法で」続けるのが家庭学習のコツ!
中学生の家庭学習は、「やる気」や「時間の長さ」だけでなく、生活習慣や環境の整え方がカギになります。
- 帰宅後の流れを決めておく
- 勉強場所ややり方は“その子に合う形”で柔軟に
- 教材は「本人がやる気になるもの」を選ぶ
- 学校の課題を軸に、プリントやコピー学習も活用
どれも特別なことではありませんが、毎日少しずつ積み重ねていくことが何より大事。
完璧を目指さず、家庭に合った方法で“続けられる仕組み”を作っていきましょう!